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触媒のように世の中のいろいろな人やものをつないで変化を起こしていきたいと思っています

国際関係で領土問題以上に重要だと思っていること

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昨日は、私がロサンゼルスに住んでいたときに知り合った方々と久しぶりにお会いしました。

一人はビジネスコンサルタントの鶴亀彰さん。鶴亀さんは、まだ3歳ぐらいのとき、太平洋戦争で父親が潜水艦に乗っていて戦死して、父親のことをほとんど何も知らずに育ち、60歳を過ぎてあるきっかけで父親のことを調べていくうちに、当時潜水艦同士で戦ったイギリスの潜水艦の艦長や、オランダの潜水艦の遺族と知り合って、今でも交流しているという方です。その感動的なストーリーは、私が出版プロデュースする形で本になり、現在は電子書籍で販売しています。

App Store - 日英蘭 奇跡の出会い-海に眠る父を求めて

もう一人は映画監督のすずきじゅんいちさん。私がロサンゼルスに住んでいたときに、一緒に映画祭や映画ビジネスをしていた方です。アメリカの日系人をテーマにしたドキュメンタリー映画の3部作を制作・監督され、第1作「東洋宮武が覗いた時代」、第2作「442日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍」に続く、3作目の「二つの祖国で 日系陸軍情報部」が12月8日から日本でも公開されます。9月中旬には「1941 日系人と大和魂」という本も文藝春秋から出版するそうです。2作目を制作された後に、交通事故で大けがをして、多少カラダが不自由になり、運転できなくなったことで、ロサンゼルスは車で移動できないと生活していくのが大変なこともあり、最近日本に戻られて、今後しばらくは日本を拠点に活動されるようです。日系史3部作を、今度学校の授業などで使ってもらえるように短く編集してまとめ、DVDをアメリカと日本の高校に寄贈する予定だそうです。このような歴史を若い人たちに知ってもらうのは素晴らしいことだと思います。

お二人と久しぶりに直接お会いして、最近の活動や、ロサンゼルスの最近の様子など、いろいろ話をうかがうことができて、とても楽しかったです。

ロサンゼルスの話を聞いていて、ちょっと気になったのは、リトル東京がかなり寂れてきているらしいことです。私が住んでいたときからその傾向はありましたが、ロサンゼルスの韓国や中国のコミュニティはどんどん大きくなって盛り上がっているのに、日系コミュニティは衰退してきているようです。日系コミュニティの重心がリトル東京からほかの地区に移ってきたということもありますが。

最近は領土問題が話題になってますが、こういった海外の日系コミュニティの問題も重要だと思います。海外の日系コミュニティや、海外でがんばっている日本人たちをもっとサポートすることが、海外での日本のプレゼンスを高め、日本の国力を高めることにもつながっていくのではないかと思っています。実際に関係をつくったり、コミュニケーションをとったりするのは人同士なので、もっと人を重視する視点を、政治家や政府には持って欲しいですね。

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