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「自分の好きなこと」と「誰かの役に立つこと」はトレードオフではない

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オルタナブロガーの田中淳子さんが、『「誰かの役に立つこと」と「その喜び」を考え、体験すること』というエントリーで、岡田斗司夫さんが朝日新聞の人生相談コーナーで回答していた記事を紹介していました。

[悩みのるつぼ]「子供に勉強させるべき?」回答編 - 岡田斗司夫公式ブログ

この記事は、私も新聞で読んで、確かに「他人の役に立てて、感謝されることは楽しい」という成功体験を持つことが重要だというのはその通りだと思いましたが、「自分の好きなこと、やりたいことを、職業として目指す」ことを、やってはいけないこととして断言しているのには違和感を持ちました。そもそも「他人の役に立つこと」と「自分の好きなことをやること」はトレードオフの関係ではないはずです。

私が仕事について考えるときの基準は、近江商人の「三方よし」と言われる、「売り手よし、買い手よし、世間よし」です。自分にとっても相手にとっても社会にとってもいいことを仕事にしようということです。自分が好きなこと、興味があること、得意なこと、面白いこと、楽しめることをして、相手に価値を与えて喜んでもらい、感謝をしてもらえれて、それが社会のためになれば一番いいですよね。

もちろん、この三条件を満たすものをすぐに見つけるのは難しいので、まずはどれか一つの条件を満たすことをやってみることから始めればいいと思います。自分の好きなことから始めてもいいし、相手に感謝されることから始めてもいいし、社会貢献になることから始めてもいい。やっていくうちに、三つの条件を満たせるように考えればいい。ただこの三条件で一番重要なのは、やはり「自分の好きなこと」だと思っています。それが一番自分の力を発揮しやすいし、成長しやすいし、自己実現につながりやすいからです。

私は大学を出たあと、出版社で芸能雑誌の編集の仕事をしていましたが、時間は不規則で、休日出勤や徹夜、残業100時間以上は当たり前でしたが、苦しいとかきついと思ったことはほとんどありませんでした。自分の好きなことをやっていて、仕事が面白く、楽しかったからです。正直、この頃は、他の人の役に立つこととか、首魁貢献になることとかは意識したことはありませんでした。「三方よし」を意識するようになったのは、会社を辞めて独立し、個人でいろいろ仕事をするようになってからです。

個人的によくないと思っているパターンは、お金や損得で仕事を決めてしまうことです。お金が稼げそうだからとか、条件がいいからと仕事を選べば、ちょっと条件が悪くなったら、すぐに仕事がいやになってしまうので。起業もそうですね。お金が稼げそうだからと始めた事業は、起業で最初からうまくいくことはまずないので、うまくいかなくていやになって辞めてしまうことがほとんどだと思います。

私は未婚で子供もいないですが、もし子供がいたら、好奇心の赴くままに、自分の好きなこと、興味を持ったことを徹底的にやってみることを教えるだろうと思います。

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