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studygiftに批判が集まったのは、言っていることとやっていることが一致していないからではないか

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虚構新聞問題に続いて、ネット上で学費支援プラットフォーム「studygift」が話題を呼んでいました。paperboy & co.創業者の家入一真さんが中心となったLibertyというグループが、困っている学生を支援したいと始めたプロジェクトで、最初に支援したい学生として登場したのが、Google+で一時フォロワー数トップになり話題を集めたことがある坂口綾優さんでした。

すでに支援者からの目標金額88万円以上を達成し、話題を集めたということでいえば、成功したといえるのかもしれませんが、それ以上に多くの批判を集めていて、坂口さん本人にとっては、studygiftに登場したことがよかったといえる状況ではないように見えます。

なぜ多くの批判を集まったかについて、私が大きな理由の一つだと思ったのは、言っていることとやっていることが一致していないということです。口では「インターネットで世界を良くしたい」と言いながら、実際にやっているのは、情報弱者の射幸心をあおってお金を巻き上げていることで、とても世界を良くしていると思えないような企業に対するのと同じような気持ち悪さを感じました。

「困っている学生を支援したい」という言葉自体には共感するし、本当にそれが実現できるなら協力したいというは多いと思いますけど、実際にサイトで支援したいという学生さんを見てみると、何で困っているのか、なぜ大学に戻って勉強したいのか、勉強することで何を実現したいのかがよくわからないし、人に頼らなくても自分自身でどうにでもできるような方で、どう見ても困っているように見えないので、まるでアイドルがファンクラブメンバーを募集しているような感じで、まったく共感がわきませんでした。

例えば、大学で人々の役に立つような研究に打ち込んでいたけど、学費が足りなくなって研究が続けられず、アルバイトをして学費を稼ぐ時間も惜しいので、ぜひ支援してくださいという学生さんが出ていたら、共感して支援したいという人はもったたくさん現れたでしょうし、批判が出ることはほとんどなかったように思います。坂口さんほど話題にはならなかったかもしれませんが。

これでは、家入さんが「批判するのも幻滅するのも勝手だけど、studygiftが多くの学生を救える継続的なシステムになり得るとただ信じて作った事だけは解って欲しい」と言っても説得力はないように感じました。本当に困っている学生を助けるための継続的なシステムをつくりたいのだったら、今回受けた批判をきちんと受けとめて、言っていることとやっていることをきちんと一致させることを考えてほしいと思います。studygiftがいい方向へ進むことを期待しています。

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