オルタナティブ・ブログ > 点をつなぐ >

触媒のように世の中のいろいろな人やものをつないで変化を起こしていきたいと思っています

『大往生したけりゃ医療とかかわるな』の著者に親近感を持った理由

»

最近ベストセラーになっている『大往生したけりゃ医療とかかわるな』を読みました。著者は、社会福祉法人老人ホーム「同和園」附属診療所所長で、市民グループ「自分の死を考える集い」を主宰している、医師の中村仁一さんです。

簡単に内容をまとめると、「死」という自然の営みは、本来穏やかで安らかなものだったはずなのに、医療が深く関わることで、より悲惨でより非人間的なものになってしまっている、ガンでさえ何も手出ししなければまったく痛まずに穏やかに死んでいくことができるのだから、なるべく医療に依存せず、老いに寄り添い、病に連れ添うというのが、楽に生きるための王道だということです。本の主な内容については、以下の連載記事でも読めるので、ぜひ読んでみてください。

Business Media 誠:大往生したけりゃ医療とかかわるな(7):鼻水や咳を薬で抑えるのは誤り (1/3)

このような内容には賛否両論あると思いますが、個人的にはとても共感しました。私自身、もともと2008年に日本に戻ってからはなるべく医者にはかからないように心がけていて、たしか健康診断のために1、2回行っただけす。この本を読んで、今後もなるべく医者や薬に頼らず、自分の体を信じて、自然治癒力にまかせるようにしていこうと思いました。

こういったメインの内容とは関係なく、本の中で一番印象に残ったのが、終章で書かれていた中村さんの自分史です。中村さんは人生の転機として4つの大きな出来事をあげてますが、その一つがクイズにはまったことだそうです。1972年に「アップダウンクイズ」に初出場して初優勝して以来、目立たないように1年に1回ぐらいクイズ番組に出て、優勝を重ねるうちにクイズ仲間に知られるようになったそうで、1977年の「クイズグランプリ」の「グランドチャンピオン大会」での優勝を最後に足を洗ったとのこと。クイズにはまる前は、人前で話すことも、文章を書くことも苦手だったそうですが、クイズをやったことで雑学の知識や語彙が豊富になり、それが後に病院長を引き受けたり、本を出版したりすることに結びついたのだろうとのことです。

クイズにはまったことが人生の転機になったというのは、まさに私と同じだったので、著者の方に親近感を抱きました。私ももともと内気で無口で、人前でしゃべるのも文章を書くのも得意ではなく、今でもそんなにかわってませんが、1982年に「アップダウンクイズ」で初めてクイズ番組に出て優勝したのをきっかけに、クイズにはまり、大学でもクイズ研究会をつくり、その後も何度かクイズ番組に出て、「アタック25」「100万円クイズハンター」などで優勝しました。その後出版社に入れたのもクイズのおかげだと思っていて、クイズにはまってなかったら全然違う人生を歩んでいたかもしれません。

たまたま気になって読んだ本の著者と、このような珍しい共通点が見つかって、シンクロニシティを感じました。また、私がやっている自分史をテーマにしたセミナーでも、自分史を語ることで、相手に共通点を見つけてもらうと、興味や親近感を持ってもらえるという話をしていますが、そのいい例になりそうです。

Comment(0)