自分の中のどこかに生きている記憶を掘り当てる学習法
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学習方法に関する興味深い記事がありました。
UCLAのロバート・ビョーク氏によると、授業を聞きながらノートを取ったり、一つのことを集中して勉強したりする学習方法は間違いだということで、幅広い内容を混ぜて学習するインターリープや、場所を替える方法などいくつかのテクニックを紹介しています。
特に面白いなと思ったのが「分散効果」です。短期間で繰り返し学習するよりも、長い期間をかけて数回学習したほうが効果的だそうです。
何かを学習すれば、実際にはそれを決して忘れない。子ども時代の親友の電話番号を思い出せるだろうか。たぶん無理だろう。しかし、思い出す機会が与えられれば、新しい7桁の番号を覚えるよりも、古い電話番号のほうが短時間でしっかりと記憶にとどめられることを、ビョーク氏は明らかにした。古い電話番号は失われたわけではなく、あなたの中のどこかに生きているのであり、単に思い出すことが難しいだけだ。そして、われわれは「忘れること」を「学ぶこと」の天敵のように思っているが、それはある意味で間違いなのだ。この2つは一種の共生関係にあり、実際には忘れることは記憶の手助けをしている。
出版物でも山川出版社の「もう一度読む」シリーズなど、昔学校で習ったことを大人が復習できる本が最近いろいろ出ていてそこそこ売れているようですが、実際にこれらの本を読んでみると、確かに忘れていたことがよみがえって記憶に定着しやすいような気がします。
過去は過ぎ去ったことだから思い出してもしょうがないと思っている方も多いと思いますが、学習したことだけでなく、自分の体験や経験をなんらかの形で思い出し見直すことで、現在や未来に活かすことができるのではないかと思っています。このへんは私が自分史の活用法として主張していることです。過去というのは自分にとっては大きな宝物であり、それをどう人生に活かしていくかをぜひ考えてみるといいと思います。
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