『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』感想
すでにオルタナブロガーの小林啓倫さんが書評記事を書かれていますが、私も以前日経BPさんが主催したブロガ―イベントに参加したときにアンケートに答えたら、その賞品として『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』をいただきました。以前「ほぼ日刊イトイ新聞」の“Unusual(変わってる)...”という連載で、この本のことを知って、翻訳されたらぜひ読みたいと思っていたので、いただくことができてうれしかったです。
私自身は、実はグレイトフル・デッドというバンドのことはよく知らなかったのですが、この本を読んでファンになりました(笑)。ライブに来たファンに自由に録音させてテープを交換することを認めたり、台本なしで毎回演奏曲目や演奏の仕方を変えていたり、ミスしても気にせずすぐやり直してありのままの自分たちを見せようとしていたり、常に新しい実験にチャレンジしようとしたり、ライブの場を重視しファンとのつながりを大切にしたり、社会的活動にも力を入れていたり、まさにソーシャルネットの時代に重要だと言われる「フリー」や「シェア」「透明性」「社会性」などを先取りする活動をしていたことを知って感銘を受けました。小林さんが“「ソーシャル」が技術の問題ではなく、哲学の問題であることを改めて教えてくれる一冊”と評していましたが、まさにその通りだと思います。
一番最後の章のタイトルが「自分が本当に好きなことをやろう」でした。グレイトフル・デッドも新しいことにチャレンジしていく上で、試行錯誤しながら多くの困難を乗り越えているわけですが、困難を乗り越えて活動を続けられたのは、音楽に情熱を持っていたからだということです。
昨日、就活に関する話で、自分の本当にやりたいことを見つけるのが大事だと書きましたが、やっぱり自分が本当に好きなことをするのは重要だと思います。仕事はお金をもらうためのものだから、苦しくてもしょうがないという方もいますが、たくさんお金をもらって嫌な仕事をするよりも、最初もらえるお金は多少少なくても、自分が情熱を持てる、好きなことを仕事にしたほうが、楽しく仕事をできて、結果も出しやすくなり、後でお金もついてきます。好きなことを仕事にしてしまうと、好きなことも好きじゃなくなってうまくいかないという方もいますが、それは仕事のやり方の問題ではないでしょうか。単にマーケティングだけでなく、自分の「好き」を大切にしながら、ほかの人たちとうまくつながって、楽しく仕事をしていくためにはとても参考になる本だと思いました。