ソーシャル・ビジネスの難しさ
昨日のオルタナブロガー定例ミーティングで、沖縄を拠点に活動されている一瀬宗也さんが、「社会貢献3.0への取り組み」というテーマで、聴覚障がい者向けのモバイル型情報保障サービスの話をされました。スマートフォンで音声を送ると遠隔情報保障センターにいるパソコン要約筆記者が文字化してくれ、それがスマートフォンですぐ読めるというサービスだそうです。聴覚障がい者の方々にとっても便利ですし、企業でも会議や講演などをすぐに文字化したいときに使えそうですね。
一瀬さんによると、社会貢献1.0は、阪神大震災をきっかけに盛り上がった個人によるボランティア、2.0は企業によるCSRの取り組み、そして3.0は仕事自体が社会問題を解決して社会貢献するソーシャル・ビジネスのことだそうです。
よく、企業は人を雇用して法人税を払っているのだからみんな社会貢献しているわけで、わざわざソーシャル・ビジネスという言葉をつくる必要はないというようなことをおっしゃる経営者の方もいるようですが、やはり直接社会問題を解決する事業をやるという意味で、ソーシャル・ビジネスと普通の企業とは違うように思います。
ソーシャル・ビジネスのほうが偉いというつもりはありませんが、本来社会問題の解決は行政の仕事であるはずなのに、行政が財政的にも人的資源的にも手が回らない状況なので、今後民間で社会問題を解決しようというソーシャル・ビジネスはより必要とされるでしょう。ソーシャル・ビジネスに興味を持つ若者が増えているらしいのは頼もしいですね。
ただ、一瀬さんも事業化の難しさを話されていましたが、社会貢献的事業をビジネスとして回していくことはなかなか難しいと感じています。私自身もほそぼそと、社会貢献型クイズサイト「eQuiz」というのを運営しています。3択や4択の問題が出てきて、1問正解ごとにお米が20粒ずつ「地球のハラペコを救え。」キャンペーンを通じて、世界で飢えに苦しむ人たちに寄付されるというサイトで、広告収入から寄付金と運営費を捻出するモデルでやっていますが、ビジネスとしては順調に回っているとはまだ言えない状況です。ビジネスは収益を上げないといけないですが、この収益を上げることと社会貢献のイメージのバランスをどうとっていくかが難しいところですね。まあ、気長に粘り強く続けていくつもりです。