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ストーリーをビジネスに活用する

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今月のオルタナブロガー定例ミーティングのときに、永井孝尚さんから『バリュープロポジション戦略 50の作法』を献本いただきました。顧客視点による競合との差別化を考え、戦略を考えるための方法論として、バリュープロポジション(価値の訴求)という概念をベースにして、いろいろなマーケティング理論を実例を駆使しながらコンパクトに紹介してあって、とても読みやすく参考になる本でした。

個人的に一番興味を持ったのは、社員が十数名ながら、業務用ミラーの国内市場で8割以上のシェアを持っているというコミーという会社の話。いくつか事例が紹介されていましたが、特に面白かったのは、「『万引問題』物語」「航空業界参入物語」「『掃除と分類』の物語」など、会社が取り組んできたいろいろな問題とその解決方法のプロセスを「物語」として小冊子にまとめ、社員全員で共有し、その「物語」をセールスツールとしても役立てているという事例です。

最近ビジネス書でも、ストーリーをブランディングやPRに活用しようという切り口のものが出てきています。実際のところ、会社を経営していればいろいろな問題にぶつかり、それを乗り越えていかなければいけないわけで、その経験をきちんとストーリーとして残し、社内で共有したり、社外へのPR活動に役立てることは大切だと思います。10周年、20周年などの節目に社史をつくる会社もあると思いますが、せっかく社史を本の形でまとめても、ほとんど読まれることなく眠っているケースは多そうです。社史の中には、いろいろなストーリーがあるはずで、それらのストーリーをうまくPRに使うことを考えてみてはどうでしょうか。

ストーリーを小冊子などにまとめるのはもちろんいいですが、ネット上でも読んでもらえるようにするといいと思います。うちの会社で運営している年表創造コミュニティ「Histy」でも、社史を年表としてネット上で公開することでPRツールとして使っていただくことを考えているところです。興味をお持ちいただける方はぜひお問い合わせください。

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