オルタナティブ・ブログ > 点をつなぐ >

触媒のように世の中のいろいろな人やものをつないで変化を起こしていきたいと思っています

『フェイスブック 若き天才の野望』感想

»

Facebookの成長物語を描いた『フェイスブック 若い天才の野望』を読み終えました。最近Facebookはいろいろと話題になっていますが、この本はFacebookに対する理解が深まるのはもちろん、今後インターネットがどういう方向に向かうのかを考える上でも参考になります。インターネットでビジネスをやっている人たち、とくにネットサービスを運営している人たちには役に立つ内容が多いので、ぜひ読んでおくべきだと思います。

特に印象に残ったのは、フェイスブックが本当に数多くの試練を乗り越えて成長してきていることです。ウィンクルヴォス兄弟からアイデア盗用で訴えられたり、共同創立者のエドゥアルド・サヴェリンからも訴えられたりしたことは映画『ソーシャル・ネットワーク』でも描かれていましたが、ほかにも資金調達や人材採用、社内での対立、広告とマネタイズの問題、新機能へのユーザーからの非難、プライバシー問題など、次々と困難が降りかかってきます。これらの逆境を乗り越えてフェイスブックが成長してきた理由はいろいろとあるでしょうが、一番大きなものは、創業者であるマーク・ザッカーバーグが持っていた、世の中を良くするために人々の役に立つツールをつくるという明確な信念と情熱だったのではないかと思います。以下に、本の中から、私が特に気になったザッカーバーグの発言や考えを引用しておきます。


われわれは人々が世界を理解する方法をより効果的なものにしようと試みています。われわれの目的はサイトの滞留時間を最大にすることではない。われわれのサイトを訪問している時間を最大限に有意義なものにしようと努力しているんです

同級生、同僚、友達といった現実世界での知り合いとの交流を深め、スムーズにするためのツールになることを意図してフェイスブックを開発している

自分が誰であるかを隠すことなく、どの友だちに対しても一貫性をもって行動すれば、健全な社会作りに貢献できる。もっとオープンで透明な世界では、人々が社会的規範を尊重し、責任ある行動をするようになる

透明性が高いほど寛容な社会が生まれ、誰もが時には悪いことや見苦しいことをする、ということをやがて受け入れるようになる

これらを読めば、どうしてFacebookが実名制をとっているのか、Facebookが目指しているビジョンがよくわかると思います。私自身は、実名を使うかどうかは人それぞれなので好きにすればいいと思ってますが、ザッカーバーグの考え方には共感しています。

Comment(0)