【買わずに飼ってね】平成24年度の猫の殺処分数は123,420匹:後編
前回の続きです。
平成23年度と24年度の「犬・猫の引取り状況(都道府県・指定都市・中核市別)」についてエクセルの計算式を駆使して、ようやくPDFと同じ並びの表形式のデータに加工することができました。
このデータは「都道府県・指定都市・中核市別」の集計になっていて、たとえば、神奈川県の数字は、横浜市、川崎市、横須賀市、相模原市、4市以外の神奈川県の5つに分かれています。動物愛護センターの管轄が違うためらしいです。また、24年度から那覇市が独立した項目になりましたが、数字は沖縄県に含むとなっています。一方、大阪府豊中市は平成23年度は大阪府に含まれていて平成24年度から独立したため、前年度との比較ができません。これに伴い大阪府の数字の意味も変わってしまいます。
まずは都道府県単位で考えた方が全体の傾向を把握しやすいと思います。ピボットテーブルを使って都道府県単位に集計し直しました。
都道府県によって、面積、人口、都市部と郊外の割合などが異なります。殺処分の絶対数を都道府県の間で比較することは、あまり意味ないことと考えます。
増減率に注目します。100%は前年度と同数を意味します。数字が小さいほど、殺処分が大きく減ったことを表します。特に改善の度合いが大きい10都道府県をブルーにしてあります。ただし、この数字は2年間の変化を表すものであり、それ以前から殺処分を減らすことに取り組んでいる都道府県ほど、数字の減り方が頭打ちになっている可能性があることに注意が必要です。指標の一つと考えてください。
私にとって興味深いのは、返還譲渡率です。これは引き取られた数に対して、迷子の猫を飼い主に戻すことができたり、別の飼い主が里親となって引き取られたりした割合です。猫にとっては、生きてセンターを出られた生還率と言ってもよいでしょう。
この数字は各都道府県の姿勢や取り組みによって、差がはっきり出ていると考えます。北海道は41%を返還譲渡していますが、高知県は0%です。集計表にはありませんが、高知県は犬は返還譲渡している一方で、猫は2年ともゼロです。何か理由があるのかもしれません。単純にいいとか悪いとかではなく、自分が住んでいる地域の数字を見て、いろいろ考えてみることが大事と思います。
北海道)犬猫の殺処分、過去最少に 札幌市 - 朝日新聞デジタル
殺処分ゼロは行政だけが頑張って達成できるものではなく、何より地域の住民が飼い主のない犬猫を殖やさないこと、一度飼ったら終生面倒をみることが重要とされています。
ここでうれしいニュースがありました。平成25年度の速報によると、神奈川県動物保護センター(横浜、川崎、横須賀の3市以外を管轄)で初の犬の殺処分ゼロを達成したとのことです。
犬の殺処分、ゼロを達成 神奈川の保護センター(朝日新聞デジタル) - Y!ニュース
猫の殺処分が全国でゼロになる日が来て欲しいです。
※今回のブログで作成したエクセルファイルを、2014年5月31日まで こちらから ダウンロードできます。エクセルファイルは犬と猫のすべてのデータを含みます。集計間違いなどがあるかもしれません。ご利用は自己責任でお願いします。