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顧客サービスとITのおいしい関係を考える

続ショールーミングになってしまった話

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前回はバイクのヘルメットを買いに行って、欲しいサイズの在庫が無くて通販で買ってしまった話でした。

仮に自分がバイク用品店の関係者だとしたら、ショールーミングにならない対策はあるのでしょうか。

バイク用ヘルメットの特徴をまとめておきます。

  • 商品の価格は3~5万円。
  • 約3年前後で買い換え。
  • 一人で複数買う人は少ない。
  • 必要としない人は絶対に買わない。
  • 商品点数やサイズのバリエーションは服や靴より少ない。
  • 長期在庫になると商品価値が下がる。
  • すべてのモデルとサイズを店頭に在庫しておくことは現実的ではない。
  • どこで買っても商品の質は変わらない。

このような商品です。

以下が一般的なショールーミング対策と言われています。

ポイントプログラムによる囲い込み

このバイク用品チェーンは以前からポイントカードのプログラムを導入済みです。とは言え、還元率はそれなりで、私はヘルメットに限らずバイク用品を年に何度も買うことはないので、ポイントがほとんどたまりません。後でポイント還元する分が価格に上乗せされているくらいなら、その都度値引きしてくれた方がうれしいです。

修理・メンテナンスサービス

アフターサービスは基本的に必要ありません。事故などでヘルメットにダメージを受けた場合は、修理ではなく買い換えになります。

ヘルメットのシールドは消耗品です。傷や汚れが付いて前が見にくくなったら買い換えます。とは言え、シールドも通販で買える物なので、シールド販売を充実しても有効な対策にはならないでしょう。

ECサイトと同価格での販売

このバイク用品チェーンは自社のECサイトがあります。価格は店頭と同額ですが、ポイントシステムは店舗と連携していません。このあたりは改善の余地があるかと思います。とは言え、他社の通販との競争となると一店舗の中の話ではなくなります。実店舗の売り上げ増になるかどうかわかりません。

プライベートブランド

他社で買えない独自のカラーやペイントのモデルを用意するというのは一つの方法です。とは言え、通常品のサイズ切れで通販に流れるケースの対策にはならないですね。

 

決め手になりそうなショールーミング対策はなかなか見つからないです。とは言え、手をこまねいているわけにも行きません。いくつか考えてみました。

フィッティングサービスを提供する

ヘルメットと同じようにフィット感が重要な靴の場合は、顧客の足に関する情報を正確に把握し、足に合った靴を見立てするシューフィッターの仕事があります。一流メーカーのヘルメットは、内部のスポンジが取り外せるようになっていて、数種類の厚さのスポンジが販売されています。顧客の頭のサイズに合わせて、ぴったりで疲れない厚さに交換してくれるフィッティングサービスは有効かもしれません。実際、ヘルメットメーカーから店舗に出張したり、メーカーの研修を受けた販売員が常駐して、フィッティングサービスをしていることがあります。

取り寄せになったら直送する

サイズ切れなどで取り寄せになった場合は、店舗に届くのではなく、顧客の自宅に直送するという方法も考えられるかもしれません。この時に送料がかかると送料無料の通販会社に対抗できませんから、送料は無料にします。

とりあえず思いつくのはこのくらいです。画期的な仕組みではなさそうです。

前回のブログにいただいたコメントにもありますが、ヘルメットのような商品では店頭の販売員の接客が最後の決め手になると考えています。顧客を上回る商品知識を持ち、かつ顧客の状況に合わせて情報を選別して提供することがキーではないでしょうか。

「他より多少値段が高くても、あなたから買いたい」レベルになるには、売る側に相当なスキルが求められると思われます。10年くらい前にOne to Oneマーケティングと言われて、顧客属性でセグメントして異なる提案やサポートを行う手法が提唱されました。当時はOne to Oneと言っても、グループ単位のパーソナライゼーションでした。

店頭でスマホを見れば日本中の値段がわかってしまう時代だからこそ、高度な販売スキルで1人1人に最適化した「個客最適」マーケティングが必要と考えます。

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