【半年】変えなければならないことを変える、忘れてはならないことを忘れない
東日本大震災からちょうど半年になりました。
警察庁の9月10日付の統計によると、全国の死者数は15,781人、行方不明者数は4,086人となっています。宮城県警は行方不明者の捜索活動について「陸上部分はほぼ捜索し尽くした」として、今後は宮城県警機動隊を中心とする「行方不明者特別捜索隊」を組織し、内水面や海岸線の捜索に重点を移すとのことです。
個人の方がまとめた市町村別の死者・行方不明者数及びその率の最新のデータがあります。
http://www.isobesatoshi.com/data/sisya-eastjapan.html
岩手県大槌町 9.14%、岩手県陸前高田市 8.37%、宮城県女川町 9.70%となっています。
別の研究結果によると、同様の数値は阪神大震災では 0.31%、最も被害が大きかった集中豪雨で 0.10%だったそうです。今回の津波による被害がいかに甚大であったかがわかります。10~20人の会社で同僚が一人亡くなっている状況、隣近所2,3軒で誰かが亡くなっている状況を想像していただければと思います。親戚や知人まで含めると、三陸ではお葬式が続いたことでしょう。
首都圏のテレビ各局が、半年の節目にどのような番組編成をしているか、注目してみました。
NHKは早朝から夜までほぼ震災特集の番組編成です。毎週日曜の定番のNHKのど自慢まで岩手県久慈市で開催する徹底ぶりです。これに対して民放は、TBSが「原発攻防180日の真実 故郷はなぜ奪われたのか」を特番で放送している以外は、ニュース番組の一コマの扱いとなっています。
これから7ヶ月、8ヶ月と過ぎるにつれて、派手な映像がなくなって視聴率が取れなくなる震災関連の番組は減っていくと思われます。
311直後に一人一人が考えた「これで日本は変わる」「日本は変わらなくてはいけない」という思いは、日々の生活に埋もれて消えていくのではないでしょうか。今後は、被災地を自分の目で見てガレキの臭いを知っている人と、テレビの中だけで見ていた人では、大きな違いが出てくることが予想されます。
TwitterのTLを見ると、「初めて現地に行ったど、何も変わっていなくて驚いた」というつぶやきが今でも流れています。復旧・復興は長期戦です。今からでも遅くありません。現地を自分の目で見ると、思いを新たにすることがあるのではないかと思います。