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顧客サービスとITのおいしい関係を考える

インターネットにお墓を作ろう

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9月になりました。9月と言えばお彼岸です。

CMパンチの佐々木さんが、【自分の死後を想定したコンテンツ 】というエントリーを書いています。これを読んで、思い出したことがあります。

我が家の近所に、評判のよい米屋さんがありました。店主一人でやっていた小さな店でした。店主がお米に詳しくて、品揃えにこだわりを持っていました。近頃には珍しく、客の注文を受けてから玄米を精米してくれる店でした。精米したてのご飯はひと味違うように感じたものです。

とても残念なことに、この店主はある日突然亡くなってしまいました。きいたところでは、店の中で倒れていたそうです。その後、店を片付けるために親戚の人が来ていたようです。店を継ぐ人がいなかったのでしょう。店の看板はそのままですが、シャッターがずっと閉まった状態で一年以上過ぎました。

ところが、インターネットでは、この店主を取材したお米関係のWebサイトを、今でも見ることができます。すでに亡くなった人がニコニコしている写真を見たり、取材に答えたコメントを読んだりすると、不思議な気持ちがします。

近年、都会の墓地不足と少子化で、お墓を確保して後々管理し続けることが大変なようです。そこで、インターネット上のサーバーに自分のお墓サイトを持って、動画や写真をアーカイブしてもらうやり方はいかがでしょうか。自分が元気な時の動画や、遺したい言葉を置いておくWebサイトです。どうしても形があるお墓でないと嫌だという方は多いと思いますが、考えようによってはいいかもしれません。

遺骨はデータといっしょにデータセンターに保管します。アクセスのセキュリティー管理や温度・湿度管理が重要という点で、データと遺骨は似ています。

墓参りは直接現地に行っても、インターネット経由でもできるようにします。データはサーバーから絶対消さない契約で、永代供養です。子孫がいなくなっても、お墓サイトは残ります。掃除や草むしりの手間もかかりません。

この夏の集中豪雨で床上浸水に遭って、以前に亡くなった人のアルバムなど、大切な思い出の品がダメになってしまった方がいたようです。データに変換してデータセンターで管理されていれば、自宅が地震や火事に遭っても大丈夫です。

お墓専用のデータセンターですから、こんなデザインはいかがでしょうか。砂漠の真ん中にいきなりこのデータセンターがあって、24時間365日黙々と稼働しているのを想像すると、サイバーでおしゃれな気がします。ぜひ、自分も入ってみたいと思いませんか。

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