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CEATEC 2008で見つけた小ネタ:「情報大航海プロジェクト」って名前はどうよ?

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 動きの速いITの世界ではもはや旧聞に属してしまうけれど、先週はCEATEC 2008を見学してきた。

 話題の中心は大型フラットディスプレイ関連だったらしいが、個人的にはあまり興味もないため、そちら系の展示はほとんどチェックせず。

 唯一気がかりだったドルビーの「ハイダイナミックレンジ技術(Dolby社英文サイトでの説明はこちら)」は、昨年に引き続き今回もデモが行われていたけれど、残念ながら日本国内で普通に入手可能な製品へ採用されるにはまだ至ってない模様。同技術は、LEDバックライトをダイナミックに制御して液晶ディスプレイにおける高コントラスト比を実現可能にするものだ。ざっくばらんで派手な絵が好まれる家庭用テレビにはかなり適した機能と思われるので、低価格化が実現できれば普及するのかもしれない。

 さて、今回、個人的に一番興味を引かれた展示は、その酷いネーミングから全く何も期待していなかった「情報大航海プロジェクト」のブースの中にあった。

 それにしても、ちょっと話が逸れてしまうのだけれど、この「情報大航海」という言葉を選ぶ感覚は一体何なのだろう? 時代錯誤なニュアンスがあるし、下手をするとネガティブキャンペーンにさえなっている。折角、興味深い先端事業の数々を扱っているのにもかかわらず、そういう「新しいもの大好き」な人間がやって来ることを敢えて拒否するような語感がそこにはあって、なんだかなと思わざるを得ない。ただし、もしかすると、そうやってダメな雰囲気を醸し出すことで、敵(?)を油断させることが第一義だとすれば、経産省の中の人の思惑はズバリ上手くいっているとも言えなくはない(笑)。

 さて、閑話休題。件の情報大航海プロジェクトブースで、面白いと思ったのは「多言語対応動画アプリケーションプラットフォーム」というものだ。これは、ITmediaでも以前に「角川が動画検索サービス開始へ 情報大航海プロジェクトで」という記事で簡単に取り上げられている。

 多言語対応動画アプリケーションプラットフォームがどういうものかを乱暴に要約すると、動画コンテンツから言語情報を機械的に抽出し、自動分析した上でメタデータ化して検索に対応可能とした上で、字幕までも生成できてしまうシステムといったところ。

 特に驚いたのは、言語情報の抽出に際して、台本などのテキスト情報は一切利用せず、全て音声認識だけで処理されている点だ。背景に激しいノイズ(例えば爆発音)があったり、または歌だったりする場合を除けば、かなりの精度で認識可能らしく、ニュース番組のような形態であれば、日本語なら7割程度、英語は9割以上の精度で言語情報を抽出できるとのこと。

 また、既にBBCやCNNなどのニュース番組では、同技術を利用してリアルタイムでコメントの字幕を生成するのみならず、データベース上から関連情報を検索してテロップ表示するところまでの運用が実現されているとも教えてもらい、子供の頃に憧れた「21世紀」の未来がまた一つ現実になっているのだなぁと感慨深かった。

 ちなみに帰宅してから調べてみたところ、この言語情報抽出に関する技術は、どうやら英Autonomyのものをベースにしているようで、純粋な国産技術ではないのが気になるところだけれど、それでも、情報大航海プロジェクトはその名前の格好悪さとは裏腹に、注目すべき先端技術が色々と隠されているようで、今後も注目したいと思った次第。

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