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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

2. キングジム 「PORTABOOK」をお借りできたので、レビューします

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先日、を書く時に取材でお世話になったキングジム社から、おそらく同社で今いちばんホットな「PORTABOOK」をお借りできる、という栄誉に預かることができましたので、ここでご紹介します。PORTABOOK1.JPG

PORTABOOKは、キングジム社が初めて発売するノートPCです。ほぼフルサイズのキーボードを「ふたつにたたむ」という超斬新な発想(まさに創造的発想!)で、小型ながらも打ちやすいキーボードを搭載している、というところに最大の特徴があります。

詳細なレビューはこちらに譲るとして、私はPORTABOOKの存在意義や、コイツとどう付き合っていくのが正解か?というところあたりをレビューしていきます。

結論から言えば、PORTABOOKは「文具メーカーのキングジム社が満を持して発売した、究極の文房具」であるとの印象を受けました。コイツはあくまでも文房具。現存するPCメーカーの、現存するノートPCと同列で語るべきものではないのです。同社開発本部長の、

『ポータブック』は、スペック至上主義的な商品ではない。また、ビジネスの未来を変えるような商品でもない。でも、明日の出張は変えられるかもしれない、そんな商品

というお言葉が、PORTABOOKの立ち位置を見事に物語っています。そう、これは「出張のお供専用のサブノート」なんです。

まずなんといっても一番目を引くのが、前述の通りふたつにたためる「スライドアークキーボード」。これがまたなんとも絶妙にできていまして、たたんだ時、キーボードとして開いたとき、ちゃんと「カチッ」というクリック感と共に固定されるんですね。当たり前といえば当たり前なんですが、このクリック感がいいんです。しかもほぼフルサイズのキーボードですので、誤って隣のキーを押してしまう、というようなこともほとんどありません(DELETEキーだけはちょっと打ちにくいと感じましたが)。

PORTABOOK7.JPGしかもこのキーボード、ちゃんと開ききらないと有効にならない(おそらく電源が入らない)のです。PCの電源が入ったままの状態で折りたたんでも、誤ってキーが打鍵されてしまうというようなことはありません。ちょっとしたことなんですが、これは安心感につながります。どういうことかというと、キーボードを折りたたんだら、パネル全域がキーボードで覆われちゃうんです。この状態でPORTABOOKを持とうとすると、どうしてもキーボードに手がかかってしまいます。ですから、「キーボードが正位置にない時には有効にならない」というのは、とても重要なんです。

このキーボードの打鍵感が、また絶妙なんです。キーボードマニアの私としては、かつての ThinkPad に搭載されていたキーボードに次ぐ「良い打鍵感」であると感じました。もちろん1万円も2万円もするようなキーボードの打鍵感には及ばないのですが、それでも出張中ならこれでじゅうぶんです。このあたりは、ポメラで培われた、キングジム社のこだわりがみてとれます。しかも打鍵音がやさしい。これなら、新幹線や飛行機、喫茶店などで仕事をしていても、周囲に打鍵音を気にする必要はありません。

本体を小さくしてもキーボードの大きさを確保する、というのは、ポメラの頃からの彼らのこだわりであるように感じます。そう、キングジム社は、ポメラのように「文字を打つ」ということや、ブギーボードのように「文字を書く」ということにとことんこだわっているのです。PORTABOOKも、出張でメールを打ったり、報告書や原稿を書いたり、といった「持ち歩いて文字を打つ」ことに特化したPCだといえます。この、「ひとつの機能に特化して、その機能をとことん追求する」という姿勢は、ポメラ以来のキングジム社のお家芸であるようにも感じます。

PORTABOOK が「出張専用」だと思える部分は、他にもあります。大きく2つのちょっとしたしかけ(こだわり)が、私のようなガジェッターをくすぐります。PORTABOOK3.JPG

ひとつは、「スマートホンと同じ仕組みで充電できる」という点。一般的なノートPCではおなじみの電源コードがいりません。スマホを充電するためのAC電源と micro USB 対応ケーブルがあれば充電できちゃうんです。しかも、スマホ用のモバイルバッテリーでも充電できます。本体のバッテリー駆動時間は公称5時間で、イマドキとしてはそんなに長時間とはいえませんが、専用の電源コードがいらないこと、スマホを持ち歩かない人にとっても、スマホ用のAC電源とUSBケーブルであればそんなにかさばらないこと、モバイルバッテリーが使えるということ、はとっても大きいのではないでしょうか。実際に手持ちのモバイルバッテリーにつないでみたところ、見事に充電できました。前面のオレンジに光っている部分がわかりますか?

さらに私を「おおっ」と思わせる工夫が背面にありました。背面には、USB 2.0端子、RGB端子、HDMI端子、ヘッドフォンジャック、そして micro USB 充電端子などがあり、全体を覆うカバーがついています。PORTABOOK4.JPG(詳細はこちらを見てね)私が「おおっ」と思ったのは、この USB 2.0 端子なんです。左の写真ではRGB端子にピントが合っているのでちょっとわかりにくいんですが、なんと、USB端子は他の端子に比べて少し引っ込んでるんですね。実はスライドアークキーボードについているマウス代わりの入力デバイス(光学式フィンガーマウス)は、私にとってはお世辞にも使いやすいとはいえません。とはいえ形状の都合上、これはやむを得ない選択でしょう。ですからどうしてもマウスを接続して使いたくなるんですね。

で、イマドキのUSB接続型ワイヤレスマウスのドングルって、結構小さいでしょ。PORTABOOKは、USB 2.0 端子が少し引っ込んでいるおかげで、このドングルを挿したまま背面のカバーを閉じることができるんですよ!これはもぉ、使ってみて初めてわかる「おー、さすがさすが」という点でした。このちょっとしたこだわりのおかげで、背面カバーを閉じて「PORTABOOKを持ち歩こう」という気にさせてくれるわけです。PORTABOOK5.JPG

スペック的にはたいしたことがない、でも「小さく持ち運ぶ」こと、「『文字を打つ』ことに妥協がない」ことにとことんこだわり抜いている PORTABOOK。まさにキングジム社だからこそ作ることができた、「パソコンなんだけど単機能な文房具」ではないでしょうか。

ちなみに発売予定は2月12日。みなさん、どうします?

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