オルタナティブ・ブログ > 谷誠之の 「カラスは白いかもしれない」 >

人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

ITは「道具」ではなく「サービス」ととらえるべし

»

先日、ComputerWorld(ITmedia とは競合関係にあるんですけど、ごめんなさい)の取材を受けた記事が、ComputerWorld に載りました。

これは、私が EXIN Japan(日本において、ITIL や ISO/IEC 20000 などの試験を配信し、資格をとりまとめている企業のひとつ)の審査員という立場で、同社の社長と一緒に、ITサービスマネジメントに関するインタビューをお受けしたものです。

詳細は同記事に譲るとして、私は最近(というかここ数年)、「ITはサービス業に移行していくべきだ」という考え方を持っています。顧客の役に立つハードウェアやソフトウェアを「作って」提供する、という製造業という意識から、顧客に価値のあるサービスを提供するという意識に転換していく必要があると考えています。

これは決して、どっちが良いとか、どっちが正しいとかの議論ではありませんので、誤解しないでくださいね。強いて言えば、顧客のニーズを「機能」としてモノに組み込んで提供するか、「プロセス」として仕組みに織り込んで提供するか、の違いだと思うのです。もちろん、優れたモノが存在しないと優れたサービスは提供できないし、良いサービスとは何かということがわかっていないと良いモノを提供することはできません。このふたつは表裏一体です。どちらか一方に偏るのがまずいと思うのです。ただ、IT業界は、強烈にものづくりに偏っているような気がするのです。だからこそ、顧客に「サービスを提供する」という意識を強烈に持つ必要がある、と考えています。

ITILでは、すぐれた価値を顧客に提供するために必要なのは「資産」は、「リソース」と「能力」である、と言っています。「リソース」とは、ハードウェア、ソフトウェア、データ、金融資本、そして人材です。一方「能力」とは、このリソースを上手に価値に転換するために必要な力のことで、組織、管理、プロセス、ナレッジ、そして人材が含まれます(人材はリソースでもあり、能力でもあります)。

例えば、電鉄会社が良いサービスを提供するには?ということを考えます。乗り心地の良い電車、快適なプラットホーム、という「ハードウェア」、的確なダイヤ、運転手の運転技術といった「ソフトウェア」、顧客の乗り降りの情報やピーク時、閑散時といった「データ」に加えて、ラッシュをいかにさばくか、顧客のクレームや問い合わせにいかに的確に対応するか、といった「組織」や「管理」能力が重要だと考えます。これと同じことが、IT業界にもあてはまるわけです。

一説には、「サービス業」という言葉が一般的になったのは1980年代だと言われています。それから30年。いよいよ、IT業界にも「サービス業」という風が入り込んできています。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する