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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

インフルエンザ記⑥ 総括と予防接種の意味

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わたしだけが勘違いしていたのかなぁと周囲の何人かに聴いてみたら、結構同じ"勘違い"をしている(していた)人がいるので、折角だから、ブログに書いておきたい。

「インフルエンザの"予防接種"、受けた?」

と尋ねると、

「受けてない!」

と答える人の一定数に、

「だって、予防接種痛いんでしょ。痛いうえに、予防接種受けても、罹患することあるんでしょ?」
「だって、あれ、気分悪くなるんだもん」
「痛いし」
「ワクチン、不足しているっていうし」
「だったら受けたって仕方ないよね」


と言う人がいる。私もそうだった。少なくとも1月15日までは。
でも、それは間違っている!らしい。


そう、
インフルエンザに罹患したのである。実に27年ぶりである。

1月15日(月)に発症し、高熱だのあらゆる症状が出て、1月21日(日)やっと解熱したのである。
解熱から+2日が他者との接触禁止期間になるため、1月24日(水)からやっと職場復帰した。

さて、どんな症状が出たのかを順番に述べておきたい。
(熱は、最初の5日間が38℃、6日目にタミフルが効いて37.5℃。7日目に36.9℃である)

【最初の3日間(1/15-17)】
●頭痛 (合わない帽子と合わないマスクと合わない眼鏡を同時にしているような、孫悟空の輪がきゅっとなった時のような、鈍痛。ずっと鈍痛)
●目の奥痛 (目を開けると目の奥が痛いので、細目しか開かない。文字を見るのもつらいので、最初の3日間はほとんど横になって目をつぶっていた)

【次の3日間(1/17-19)】
●肩や腕の痛み (右側を下にして寝ていたので、体重で筋肉痛になったのかと思っていた)
●背中の激痛 (右だの左だの上だの下だの、背中のあらゆるところが痛くて痛くて、寝ても覚めても、寝ても立ってても痛くて、泣きそうだった。これが最もつらい症状だった)

【後半の3日間(1/19-21)】
●喉の痛み (つばを飲むと喉のあたりが激痛)
●お腹緩む (ほとんど食べていないのに、お腹が緩んでしまった)

【解熱後から1週間ちょっと(1/21-1/29)】
●味覚異常 (味が分からないというのならいいのだが、たいていのものが「苦く」感じられるようになる。甘味だけはちゃんと感じていたため、甘いプリンとか甘い牛乳プリン、アイスクリームは食べられた(普段、甘いものはあまり好きじゃない)

38℃の熱自体はどうってことなかったのだが、なんせ痛い、痛い、痛い、で「死ぬかと思った」と後日会社で話したら、インフルエンザ経験者が口をそろえて、

「そう、そう! 死ぬかと思うわよねー」

と共感してくれ、嬉しかった。

私は、発症から4日目の38.3℃と背中の激痛の日、つまり、18日(木)に、「もしかすると、入院するかもしれない」と妄想し、「入院したら、この家に家族に入ってもらって、着替えとかもって来てもらわないといけないかもしれない」とさらに妄想し、トイレ掃除とか玄関掃除とかしてしまったくらいだ。

ゆっくりとしか動けない身体で、トイレ掃除、玄関掃除、ながしの掃除、古新聞の始末などして、インフルエンザ罹患前より家の中が片付いたくらいだ。

結局、「入院」の話は、2度目に病院に行った際、

「こんなにずっと熱が出っぱなしで、痛くて仕方ないのですが、入院するレベルじゃないですか?」

と真顔で言ったら、

医師が

「呼吸困難とかいうならまだしも、"ただ"のインフルエンザで入院なんてありえないね」

と一蹴されたのだった。(今思えば、アホな問いなのだが、その時は真剣である)


こうして、私の27年ぶりのインフルエンザは治ったわけなのだが、後日談がある。

実は、27年前のインフルエンザは、同僚のKさんから移ったものだった。これは、彼女も明確に自覚しているほど、はっきりとした事実で、Kさんと私は、27年間「Kさんからインフルエンザが移って以来、インフル流行っていない」「田中さんに移して以来、私はインフルにかかっていない」という会話を何度も交わしてきた。

そのKさんも、今年見事にインフルエンザBに罹患したのであった。私より1週間ほど早く。

私が復帰した日に、「Kさんもインフルだったんだよ」と聴き、わお!と思い、Kさんに話しかける。

「インフルだったんだって?」
「そうなんですよー」
「B?」
「B」

・・・

「ねぇ、私たち二人が揃って27年ぶりに罹患するってことは、はやり、流行っている、いつになく強烈なインフルってことだよねぇ」
「私たちがかかるってことは、もう、きっと新種ですよ!」

はてさて、話は冒頭に戻るが、

「インフルエンザの予防接種」は、「罹患予防」もさることながら、「重症化を防ぐ」という意味があるんだそうで、医師にもその点を指摘された。

「あちこち痛い、つらいっていうけど、そういうの防ぐために、みんなワクチン受けるわけでしょ?」

と。

54-55歳でり患したインフルエンザは、本当にキツカッたので、来年からは予防接種をきちんと受けようと思ったのであった。

そして、今、私の周囲で以下のように嘯いている人、せいぜい頑張ってください。

「俺、一度もインフルエンザにかかったことないんだよね」
「予防接種なんて受けてないけど、僕はかからないんですよ」
「私は大丈夫」



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