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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

新入社員研修でもOJTでも大切なことは「リスペクト」だと思う。

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先日、ネット上で「新入社員に厳しく言って泣かせる研修」があちこちで行われているというのが話題になっていて、ちょっとがっかりしました。

どういう研修を採用しようとその企業の自由ですから、部外者が何か意見をするものではないのですが、いっぱんに研修で、「受講者を罵倒する」などあってはならないと私は考えています。

「お前なんか採用ミスだ」と言われて、誰が発奮するのでしょうか?

私が新人だったら、
「採ったのは、そっちだ」
と反論しちゃいそうです。
(私が新人の時、新人研修の成績が悪い私に、講師が「あなたには配属先がないとどの部署のマネージャも言ってますが、どうするつもりですか?」と詰め寄ったことがあり、その際、心の中で「採用したのは、会社の方じゃん」と呟き、さらに「配属先がないのにどうしますか?」と言われてもわからんよ、と思い、そして、30年経ってもこうして恨みに思っている・・という経験から、「ひどいことを言っても新人は恨みの記憶としては心に刻んでも、頑張ろう!と前向きにはならない」と思っているのです。)

罵倒して泣かせる。
連帯責任とか言って延々と何かをさせる。
何かができるまで食事を与えない。

など、もはやパワハラ以外の何物でもないように思います。
(厚労省の「パワハラ6類型」をご覧ください)

「若い人は精神が弱いから、叩き直さなければなりません」

という意見もあるようですが、

「その研修、ご自分は受けたいですか?」

と聴いてみたい。

自分が嫌なものを他者に押し付けてはいけない。


人は、正しく人として扱われた時、大人は大人として扱われた時、初めて真面目に相手と関わろうとするものだと思います。

先週から新入社員研修中ですが、私は、新入社員の皆さん相手に決してため口を使うことはありません。

丁寧語や尊敬語を使って会話します。

「先ほど、〇〇さんが××とおっしゃいましたが、他の方は、他に気づいた点はありますか?」
「午前中、リーダーをなさっていない方が午後はリーダーを担当してくださいね」

など、きちんと丁寧に会話します。

互いに大人同士、対等な存在として認め合うことが関係構築のはじめの一歩だと思うのです。

放っておいても年齢差、ポジション差、立場の違いで、相手には「パワー」を感じさせてしまいます。せめて言葉遣いは丁寧に。


OJTでも同じです。

後輩を子ども扱いしながら、「大人として一人前になれ」と言われてもそこには矛盾があります。

相手を尊重すること。

決して忘れてはいけないと思うのです。

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講師業は、放っておくと「気持ちよく」なってしまう仕事です。

大勢が私の話を黙って聞いてくれるのです。そんなこと、日常生活ではなかなかありません。

相手が新入社員だとだんだんと自分が偉くなったような勘違いをして、どんどん偉そうな話しぶりになってしまうこともあります。

あくまでも「成長を支援する」のが仕事なのですから、新入社員の学びが促進するようにサポートすることに意識を集中させる必要があります。

気をつけないと、つい偉そうに振る舞ってしまいます。 新入社員研修はだから要注意なのです。


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