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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「経験学習」のポイント③:「ストレッチ」(背伸び、挑戦)についての考察

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「経験学習」3つ目は、「ストレッチ」。背伸びする、挑戦する、ということです。

今できること、今ある能力でこなせる仕事だけに取り組んでいたのでは、成長は鈍化する。新しいこと、難しいことに挑戦することで、必要な学習をし、より実力を高めていくことができる。

成長のために、ストレッチは大事、というお話です。

ストレッチするためには、好奇心とか失敗を怖がらないマインドとか失敗してもそこから立ち直る力なんかが必要ですよね。

「●●に取り組んでください」と上司に言われた部下が、
「それ、やったことないからできません」と答えてしまう、という例をたまに聴きます。

「えー? やったことないです」はわかるけど、
「だから、できません」となどーゆうことなのぉぉぉ!?  と上司は驚愕するわけですね。

ストレッチできる人は、こういう時、きっと違うセリフをはくはず。

「それ、やったことないんですが、挑戦しますので、教えていただけますか?」とか「サポートをお願いできれば、取り組んでみたいです」とか、そんな感じ。

さて、ストレッチと言えば、最近、こんな話を聴きました。

私どもがOJTを支援しているあるクライアントは、新入社員に数週間の海外研修を義務付けています。

ある国に新人が出向き、現地の、同じく新入社員とともに研修を受け、疑似プロジェクトを体験する、といったようなもののようです。もちろん、講師、受講者全員の共通言語は英語です。

最近の新卒新入社員は、TOEICの点数が入社した時点で600点を超えているというのはざらだそうですが、皆がみんな英語ができるわけでもない。

あるAさんという男性。彼は、英語がどちらかというと出来ないほうだったようです。

でも、海外研修に行ったら、いくつかを自分に課して数週間それをし続けたらしい。

1. 毎日1回は講師に質問をする(もちろん、英語で)
2. 毎日日本の同期社員とだけで固まらず、現地の新入社員とランチに行く

上手ではない英語ですが、臆することなく来る日も来る日も挑戦し続けたと言います。

そして、数週間後の研修終了時点。取り組み姿勢や成果に応じて、数人が表彰される制度があります。Aさんは、講師推薦で特別賞を受けたそうです。その特別賞というのは予定外に設けられたもの。講師が「私はどうしてもAさんに賞を上げたい!」とおっしゃったからだとか。

彼の英語は、信じられないほど上達し、ものすごく多くのことを学び、大きく成長して帰国したそうです。

彼のことは新入社員研修の時に私のクラスにいたことから知っているため、「ほほぉー、イメージできます、きっと笑顔で頑張ったのでしょう」と嬉しい気持ちでこの話を聴きました。


「できない」から「諦める」のではなくて、「できない」からこそ「挑戦し、できるようにする」ことが、「経験から学ぶ」ための「ストレッチ」の実例なのだと思います。

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