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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

もしかすると「”今”だから」なのかも知れない

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本の感想によく「いい本だった。もっと早く出逢いたかった」と書かれていることがあります。

誰かのことを「もっと早く出逢いたかった」
ある言葉を「もっと早く知っておきたかった」
ある考えを「もっと若い頃からこの考えを知っていれば」・・・。枚挙にいとまがありません。

人でも本でも言葉でも音楽でも出逢ったそれがとても素晴らしく、心動かされた時、「もっと早くに知っておきたかった」「早くに出逢いたかった」と思うようです。

確かにそうかも知れません。

もっと早く出逢っていたら、違う人生があったかもしれない。
もっと早く出逢っていたら、自分の失敗は防げたかもしれない。
もっと早くに知っていたら、その知恵を使って、よりよい成果が上げられたかもしれない。

だけれども。

だけれども、こうも思うのです。

「今、それに出逢ったからこそ、心揺さぶられたり、感動したり、深く受け止めたり、心に沁みたりしているのでは」と。

今、感動した本は、10年前にもし世にあって、本屋で見かけてもタイトルを一瞥しただけで手に取らなかったかもしれない。
最近出逢った彼・彼女と10年前に出逢っていたら、今ほど意気投合しなかったかもしれない。影響を受けなかったかもしれない。
ちょっと前に聞いた感動的な言葉、10年前だったら、「それがどうした?」と思ったかもしれない。

「もっと早くに出逢っていたなら」は、もしかすると、「今出逢ったからこそ」そう思うものなのかもしれません。

それらに反応する自分ではなかったから。そういうアンテナが立っていないため、出逢っても何も化学反応は起こらなかった可能性もあるのではないかと。

だから、「あの時、これを知っていたら」とちっちゃく後悔するよりも、今の出逢いに感謝したいと思うのです。

時計の針は戻らない。

出逢った今が、たぶん、ベストタイミング。

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