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つまらない仕事をワクワクさせる〜問題発見すると「アハ体験」!

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前回にご説明したよう、今まで当たり前だと思ってしていた仕事のやり方に対して、問題を発見する、という癖をつけると、仕事が楽しくワクワクしたものになります。これは脳科学者の茂木健一郎教授が提唱する「アハ体験」なのです!

この問題発見の「アハ体験」をする方法として、次の11の視点を紹介します。

  1. 常に疑問を持つくせをつける
  2. 現状を図示してみる。
  3. 現状を数字にしてみる
  4. チームで考える
  5. 他社のやり方と比べてみる
  6. 上手くやっている人と上手く出来ない人の差をみる
  7. 失敗を分析する
  8. 皆が不満に思っている事を探す
  9. あるべき姿を想像する
  10. お客様の声に耳を傾ける
  11. 自分の直感を大事にする

 

(1)常に疑問を持つくせをつける

 

 私は職業柄、コンサルタントですので、常にどこが問題なのか触感を働かせながらいつも仕事をしています。その前提としては、この世界に完璧なものなどなく、また常に時間の流れによって問題はあらゆるところに必ず発生しているということです。従って、常に、あれ、これでいいのか?という疑問を持つ癖をみにつければ、身の回りに問題は沢山見つかるはずです。

 

(2)現状を図示してみる

 例えば、仕事のやり方を業務フローに書いてみると、その流れの中にボトルネックと呼ばれるポイントが必ず見えてきます。これは図示しなければ見えてきません。逆に図示すれば皆に理解してもらえ、その問題を共有できます。

 

(3)現状を数字にしてみる

 これは我々コンサルタントがよく使う方法ですが、パレートの法則、すなわち20%の顧客が80%の売上を占めている、というような数字の傾向値がわかると、20%の顧客に残り80%の顧客と同じ対応をしていることが問題であるとわかってきます。このように身の回りの結果を数字にしてみましょう。必ず何か「あれ?」と思う事があるはずです。

 数字にしてみるとよくわかるのが、リードタイムです。日常的にいつも、このプロセス遅いな、と思っている事象に対して、過去1ヶ月の数字をとってみると、例えばリードタイムが徐々に長くなっていったり、また日によってまちまちであったり、そこから何かそのプロセスに問題が起きている事がわかるのです。

 

(4)チームで考える

 同じ職場のメンバーで、何が問題なのか話してみましょう。すぐに10個や20個の問題が見つかるはずです。実はこれが1番近道かもしれません。これは一人で考えるよりもチームで考えたほうが問題発見や問題解決の効果が高いからです。こうしたチームによる問題発見、問題解決についてはワークショップという形で、ファシリテーションの方法論が山のようにあります。またこうしたチームの問題発見を助けるファシリテーターもいます(私もその一人です)

 

(5)他社のやり方と比べてみる

 もし他社に、同業者の友人がいれば、自社のやり方と比べてみるとその違いが実は問題発見につながるかもしれません。しかし大手の企業だからといってうまくいっているとは限りません。むしろ中堅で伸びている企業のやり方と比べた方がよい場合も多いと思います。

 また、その他社でも同様の問題に悩まされている、という事もあるかもしれません。他社の話を聞く事は、自社の言葉ばかりを考えている頭を少しほぐして新しい視野をもたらせてくれるかもしれません。

 

(6)上手くやっている人とやれていない人の差をみる

 組織で上手くやっている人、営業でも技術でも、必ずその理由があります。それがわかれば、それ自体が「アハ体験」になるかもしれません。あ、そんな方法があるんだ、ということが他では行われていないのであれば、

 それが逆に問題なのです。また逆にうまくやれていない人もそれなりの理由があるはずです。こうした人が多ければ組織の生産性は下がります。

 また組織としてナレッジベースのようなシステムを活用して、こうした上手くやっている人を増やす活動をしている企業もあります。

 

(7)失敗を分析する

 最近、何度も同じ失敗をすることはありませんか? 例えばコンペで最近連続して負けてしまうとか、同じ障害が最近よくおきるとか、システム開発案件が最近よく上手くいかなくなるとか、そうした組織としての失敗を分析すると必ず問題に当たります。そしてこうした問題はその本質が根深い事が多いです。

 この失敗分析を皆がしたがらない理由は、感情的なものがあるからですが、こうした感情のバリアを組織としてとってしまい、例えば日常的に失敗分析を行うような仕組みを作っていけば問題発見はしやすいと思います。

 

(8)皆が不満に思っている事を探す

 問題となる事象は、まず最初に働いている人の不満となって現れることが多いと言えます。多くの人が不満に感じている事は、問題なのです。ただ大勢の人は、不満は解決できないと感じて愚痴として言うのみです。しかしこの世の中に解決できない問題などありません。社長が問題の根源であれば社長を変える方法だってあるのです。皆が不満に思っている事をメモしていきましょう。それが問題です。

 

(9)あるべき姿を想像する

 これは少し高度なテクニックです。問題に目を向けるのではなく、逆にこうなりたい、こうしたい、というニーズ、あるべき姿に目を向けます。どちらかというと現状を無視して、ゼロベースで考えるほうがよいでしょう。あるべき姿を図示したり、こうありたいと思う事をリストアップしていきましょう。次にそれに対して現状はどうなっているかを比べて行くと、そのギャップが問題点となります。

 これは私たちコンサルタントがよく使う方法です。ITの計画段階でもこうしたTOBEモデルとAS ISのギャップ分析を行います。またさきほど挙げたチームで考える、でこうしたワークショップをすると問題はたくさんでてきます。

 

(10)お客様の声に耳を傾ける

 営業をしている組織や営業員であれば、お客様が一番、自社の問題に気づいている場合があります。特にお客様が不満を持っている事は、組織にとってはシビアで緊急性の高い問題点です。個人としてもそうですが、組織としてお客様の声に耳を傾けて問題点を吸い上げる仕組みを早急に作り機能させるべきです。

 よくお客様満足度調査というものがありますが、こうした調査も組織によっては営業員の単なるアピールになっている場合があります。そうではなく、ここでは営業員の評価をするよりも、お客様の声のほうが重要なのです。したがってアンケートなどで吸い上げるときはコメントを大事にするべきです。また逆に組織にとっての不満を吸い上げて来た営業員を評価するべきです。

 

(11)自分の直感を大事にする

 直感というものはよく「勘」とも言われ、ロジカルでないと言われますが、実は我々人間が持つ大変素晴らしい認識力の一つです。例えば直感はウィクペディアによると

「直感とは知識の持ち主が熟知している知の領域で持つ、推論など論理操作を差し挾まない直接的かつ即時的な認識の形式である」

とあります。

 人は物事の良し悪しを直感的に瞬時に判断する能力があり、それは我々の今までの経験や知識を集大成したものなのです。何となくこのやり方はおかしい、とか、何となく嫌な感じがする、という時には何か問題が潜んでいる事が多いと言えます。

 そのためには日頃から、自分の直感を研ぎすませておく必要があります。ただ、直感と先入観は似ているため、先入観、つまり最初からこうだ、というようなものとは区別しなければいけません。直感はあくまでニュートラルな視点で頭を空っぽにして見た時にそれが、何か引っかかるようでしたら、そのポイントをリストアップして、あとでファクトファインディング(問題かどうかの検証)をしてみてください。

 

以上がすぐに使える問題発見の方法です。問題を発見すればするほど「アハ体験」で脳が刺激され、ワクワクします。

 

次回は「問題の本質を見極める探求にワクワクする」について説明したいと思います。

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