「行動ターゲッティング広告」は顧客視点か?
先日、知人からある商品とURLを紹介され、そのサイトを見ました。
紹介されたので何気なく見ただけで、その商品に特別に興味はありませんでした。けれどもそれ以来、いろんなサイトでその商品広告を一日に何度も目にするようになりました。
「なんか、嫌だなぁ」と思っていたら、「行動ターゲッティング広告」という言葉を目にしました。
日経BPnetに行動ターゲティング広告が示唆する未来は?という2008年の記事がありました。ここには、こう書かれています。
広告の効果を上げるには、何が有効か。よく知られているのは、個人の趣味嗜好を調べ、それに合った広告を出すと、その人は商品を買いやすいということだ。たとえばヤフーで「日経BP」と検索をかけると、結果表示画面には「定期購読のご案内」「日経BPの本を買うなら」といった日経BP社がらみの広告が出る。
これが行動ターゲティング広告の基本的なやり方だ。検索キーワードに応じた広告を出せば、かなりの確度でユーザーはバナーをクリックするはずだ。ひいてはそれがYahoo! JAPANの収益につながる。
この手法について、私は否定しません。検索キーワードに応じた広告なら私が求めている情報です。「こちらのほうがもっといいかもしれませんよ」という提案は私にメリットがあるかもしれません。
けれども、「望んでもいないのに、同じ広告を見させられる」のは別です。先日知人から紹介されたのは、私が興味・関心がある商品ではありませんでした。
他に、こんな例もあります。
私は庭の芝の手入れをするために、先日より草刈り機が欲しいと思っていました。そこで、某大手ショッピングモールで芝刈り機を検索。手ごろな商品を買うことができました。
問題はここからです。ネットを使っていると至る所で芝刈り機の広告を目にするようになったのです。もう、草刈り機は手元にあるのに・・・。
しかも先日、私が買ったものよりも、もっと安くてよさそうな商品があることをその広告は親切にも(?)教えてくれました。この広告を見るまでは「いい商品を手にすることができてよかった!」と喜んでいたのに、早まって買ってしまったことを後悔します。でも、草刈り機は何台も必要ありませんし、買い替えることもできません。
それからも、草刈り機の広告を「見せられ」続けます。
Amazonさんも、一度検索した商品に関連したものをAmazonのサイト内で「これもどうですか?」と提案してくれます。基本、Amazonのサイトの中だけですし、時々、商品を紹介するメールも送られてきますが、触れる頻度の問題か特別嫌さがありません。本の場合は「モノ」とは違い、同じ時期に同系列の情報を集めていることも多いので、関連する本を知らせてくれるのはありがたいのです。
一方、見る必要がないのに「見させられ続ける」のは嫌な感情を抱きます。この違いは大きいですね。
ビジネスの世界では対象顧客の事を「ターゲット」という言葉で表現します。「ターゲット」「ターゲッティング」という言葉自体、企業視点の言葉です。私たちは撃ち落とされる獲物じゃない。そういう、顧客感情を考えることも必要なのではないかと思います。そうでないと、顧客は離れていく気がします。
「行動ターゲッティング広告」で検索したら、いくつかのショッピングや広告サイトの案内が出てきました。目についたサイトはすべて無効化しました。