矛盾が多い日本の賞与制度
以前から、日本で一般的な賞与制度に違和感を持っていましたので、疑問に思っている点を書いておきたいと思います。
これまで従業員として働いてきた会社の中には賞与制度がある会社があって、賞与制度について理解して受け入れていましたが、いろいろな会社の仕組みを見ていく中で、賞与制度に違和感を感じるようになりました。
給与の後払いではないか?
賞与については、何か月分などという数値について明文化されているケースは少ないと思います。賞与が支払われていた時の私の認識は、「賞与の月数はこれまでの経緯で、Xか月分は払われているが、それは保証されるものではない」という漠然としたものでした。
しかしながら、毎年このような支払われ方をしていると、賞与は「ほぼ間違いなく支払われる金額」「会社の業績で支払われる金額」「個人の実績で支払われる金額」の3つに分かれているという理解になりました。
そのうちの「ほぼ間違いなく支払われる金額」は、給与の後払いだ思っています。明文化されていなくても、従業員がローンを組むときに、返済の一部を「ボーナス払い」にするということは、従業員に「ほぼ間違いなく支払われる」という意識があるからだと思います。
給与の後払いの従業員側のデメリットは?
もし、賞与の仕組みが給与の後払いとして使われているならば、従業員側に以下のデメリットが発生します。
- 後払いによって、その分を預金した時の利子や運用した時の利益を得られなくなる
- 後払いによって、月の給与金額が減ることによって、残業手当の計算のための時給が減って、結果的に残業手当が少なくなる
- 業績が悪くなった時に、「ほぼ間違いなく支払われる金額」と思っていた部分も含めて賞与がカットされる可能性がある
- 入社時は退職時に、賞与の算定日や支払日に在籍していないと、本来得られたはずの給与を得られないことがある
- 月収が減るので、転職の時などに本来の給与の説明が難しくなる
長く続いたゼロ金利のために、利子は微々たるものでしたが、利子は少しずつ上昇してきています。また、積み立て NISA によって自己資金の運用が広がってきました。そのため給与の後払いによって、利子や運用益の金額に影響が出る人が増えてきていると思います。
上記の従業員のデメリットと反対に、会社経営側には、賞与による後払いによって、毎月給与として払う金額り、金利ゼロで使えるキャッシュが増えるというメリットがあります。これはフェアではありません。
公平な賞与の払い方は?
現在、賞与として払われている金額(月数)のうち、「間違いなく支払われる金額」部分を明確にして、その分は、毎月の給与に分割して払うことで、月給を引き上げるのが適切だと思います。ソニーは、冬の賞与を廃止して、その分を毎月の給与で支払うという改定をしたということを発表しました。ソニーの場合は冬の賞与だけですが、私は夏の賞与も同じように月に分割して先払いにしたほうが良いと思います。ソニーがなぜ夏の賞与を残したかは、ニュース記事ではわかりませんでした。
そして賞与は、会社の業績と個人の実績に応じて、本来の「賞与」として支払うことにすれば、より公平でシンプルな仕組みになるのではないかと思います。