第90回かわさき起業家オーディション最終選考会に参加して
7月25日、公益財団法人 川崎市産業振興財団が主催する、第90回かわさき起業家オーディション最終選考会に参加しました。
5名の熱い経営者が登壇し、そのエネルギーに驚嘆しました。各賞の受賞者は、下表の通りです。
かわさき起業家優秀賞 |
柴田 猛 |
次世代透析システムの製品化と予防医学への取り組み |
かわさき起業家賞 | 熊坂 治 株式会社産業革新研究所 |
製造業のプロセス革新を支援するポータルサイト「ものづくり革新ナビ」 |
かわさきビジネス・アイデアシーズ賞 | 本宮 輝明 コロンバス精機株式会社 |
モータ用万能アンプを使った装置設計の提案 |
鈴木 智之 株式会社コンテンツメイカー |
オリジナル・スポーツ指導コンテンツの企画・制作~日本&世界トップレベルのスポーツ指導をすべての人に~ | |
恩田 剛 サイバーテクノロジー株式会社 |
SOS時音声検知通信型ドライブレコーダ |
過去のオーディションの結果発表には、詳細な情報がついているのですが、現時点では今回のオーディションで発表された内容の詳細は掲載されていません。そこで、簡単にご説明します。
かわさき起業家優秀賞を受賞された柴田氏は、人工透析治療を受ける患者さんがだんだん元気がなくなっていくことを疑問に思い、透析液が原因であるという仮説を立て、長い時間をかけて改善に取り組んでいらっしゃいます。
かわさき起業家賞を受賞された熊坂氏は、製造業に適用可能な数多くの方法論を中小企業に適用できるよう、また専門家が企業と出合えるように、マッチングを行うエコシステムの形成に取り組まれていらっしゃいます。
かわさきビジネス・アイディアシーズ賞を受賞された本宮氏は、複雑化・高度化し、囲い込みが進むモーターに疑問を呈し、コンポーネント化を推進していらっしゃいます。鈴木氏は、優れたスポーツ指導者を見極め、映像コンテンツを制作することにより、指導者を雇うことができない団体でも優れた指導が受けられるように尽力されています。恩田氏は、実質1人の企業でありながら有用な製品を開発し、委託生産を行って、上場企業を相手にビジネスをされています。
5人の経営者のみなさんは紳士ですが、外見とは裏腹に並々ならぬ情熱を感じました。たぶん、会場にいた誰もがそう感じていたことと思います。うち3名の方々は筆者よりも人生の先輩であり(熊坂氏は大学の先輩筋にあたります)、筆者も負けてはいられないと思いました。
なお、透析治療に関しては、人気マンガ「新ブラックジャックによろしく」の大きなテーマのひとつになっています。最初のシリーズである「ブラックジャックによろしく」は佐藤秀峰氏が二次利用を無料にされていて、各社から無料で電子書籍として提供されています。医療の現状やあり方について考えさせられる優れた内容ですので、医療に興味がある方はお奨めの作品です。