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「中国ビジネスのここだけの話Vol.8」-アンケート調査結果を丸呑みしたら危ない

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 日本の会社は中国に進出する際、現地消費者のニーズを把握するため、街頭インタビュー、座談会などを開き、アンケートを取るのが一般的なやり方である。
 
 そこで回収したアンケート回答をデータ化して、調査対象を代表するターゲット層の消費習慣、購買傾向などを分析した上で中国市場への進出戦略を練る。

 しかし、日本の会社はそのアンケート結果に基づいたプロジェクトを進めてみたら、どこかで落とし穴に引っかかってしまうケースが案外多いのである。
 
 なぜこのような残念な結果になるかと言うと、中国人はよく自分の本音を隠し、相手に合わせる性格があるからである。
 
 日本人から見た一般の中国人は、だいたいにおいて自分の考え方をはっきり主張するイメージが強かったと思う。
確かその通りだ。中国人は自分の利益に関わる場合、自分の利益を守るため必死になる。
 
 しかし、実際にあまり自分と利害関係のない場面では、周りの雰囲気、その場の空気を読んで相手に合わせる人が多い。また面倒なことが嫌いだから適当なコメントをする人も多いだろう。

 例えば、入社時の職業適性テストを行われる際、中国人の場合、おそらく自分がどのような人間かをありのままに答えるのではなく、自分がどのような人間になれば入社試験の結果に有利かを考えながら、それに合わせた回答をする人が多い。

 ちなみに、このような入社時の職業適性の診断は、日本では流行っているが、中国ではあまり採用されてないそうだ。中国の会社の人事担当は、その試験の結果が参考にならないと分かっているからだ。

 それでは、アンケートの話に戻ろう。
 アンケートの精度を高めるためには、どうすればよいだろうか。

 一番的確なやり方は、直接中国人モニターの家に行くことをお勧めする。彼らはどんな家に住んでいるか、どんな家電用品を使っているか、どんな本を読んでいるか、どんな生活を送っているかを自分の目で観察して、細かく質問して、彼らの話が建前か本音かをその場で判断する。そうするとはじめて中国人の本当のニーズが分かってくるはず。

 もしそれができなければ、せめて時間をかけても中国人モニターと信頼関係を築き、しっかりコミュニケーションを取ってください。友達の感覚になってくれれば、中国人も警戒心を解いて本音を語ってくれるであろう。

 中国人消費者の本音を引き出せていないアンケートの結果はただの無意味な数字にほかならない。
 参考になるどころか、誤った方向に導かれる恐れがあるので、くれぐれもお気をつけてください。

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