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中国歴史は4000年なのか?5000年なのか?

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 日本人から「中国4000年の歴史」というフレーズが出たら、おそらく8割以上の中国人に、「いいえいいえ、うちは5000年の歴史だぞ」とすぐ突っ込まれるだろう。このようなやりとりは日常生活でもネット上でもよく見かけたりする。

 この1000年間という認識の差は、いったいどこから来ただろう。

 日本で定番となった「中国4000年」説は、おそらく1981年に発売された明星食品の「明星中華三味」というインスタント麺のテレビCMが、「中国4000年の歴史」をキャッチコピーとして使われたからだ。以後、この語呂のいいフレーズが世間によく引用されるうちに、一般日本人の常識として定着したもようだ。中国4000年の根拠は夏の時代から数えれば約4200年経ったなのだ。

 一方、初めて「中国5000年」と唱えたのは、17世紀にイエズス会のイタリア宣教師・中国学者であるマルティノ・マルティニ(Martin Martini 中国名:衛匡国1614-1661)だった。彼は明末清初の中国で布教し、著書『中国古代史』の中に、中国の始まりは神話に登場した伏羲時代からだと主張した。さらに、伏羲元年を紀元前2952年と定めた。これは「中国5000年」説の起源だと言われる。

 しかし、「中国5000年」が現代中国で定番となったのは、あるベストセラーのおかげだといっても過言ではない。

 1979年、歴史家・教育家である林漢達氏と曹余章氏の共著『上下五千年』が出版された。この本はもともと子供向けの中国歴史の啓蒙書だが、262篇の短い歴史物語が分かりやすくて読みやすいため、直ちに中国で大人気となり、わずか数年で596万部も完売された。以来、「中国5000年」、「上下五千年」というフレーズは中国人の心の中に不動の地位が得られ、中国人の慣用語にもなった。

 それでは、いったい中国歴史は何千年だろう。

 答えは、正解がありません。

 なぜなら、計算の基準を変えると中国歴史の長さも変わってくるのである。

 たとえば、

 初めて中国を統一して中央集権国家を作った秦の時代から計算すると約2200年。
 

 中国ではじめて文字を使うようになり、歴史資料が残された商の時代から数えると約3500年。
 

 中国で天地開闢の創世神とされる盤古の神話時代から推測すると約5000年。

 さらに、旧石器時代に中国で暮らしていた藍田原人(Homo(Sinanthropus)erectuslantianensis)の時代からカウントすれば、なんと80万年の歴史もあったじゃないか。

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