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「中国ビジネスのここだけの話Vol.7」-中国人にとって残業は罰ゲームだ

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 中国人に「日本人のイメージ」を聞いてみれば、だいたい「勤勉」、「働き蜂」のような答えが返ってくる。また「中国現地の日系企業のイメージ」を聞けば、やはり「残業が多い」という回答がほとんどだった。 

 中国では残業する習慣はなかった。会社に8時間縛られるのは義務だが、定時帰宅は我々の権利でもあるという考え方は一般的である。

 昔の中国会社はほとんど国営企業なので、生産効率が関係なく、出勤さえしてくれれば給料は貰える。一生懸命仕事する人と仕事をサボる人には評価も給料も同じだった。この制度の下で働く人々が、定時帰宅を当たり前に思うようになった。長い間、「8時間以内は会社人、8時間以外は社会人」というライフスタイルが定着してきた。

 日本の会社は中国に拠点を作り、作業時間ももちろん日本のルールに従って、夜遅くまで仕事するのが普通である。日本人のトップが率先して残業するので、部下の中国人社員にも残業を求める。大体の中国人社員はしぶしぶ従うが、心の中にきっと苦痛でたまらないに違いない。

 「サービス残業」という言葉は、日本の場合、献身的に企業を支える企業戦士の代名詞で、いかに企業のために貢献しているイメージかもしれないが、中国人にとって残業手当も出ない時間外労働はただの罰ゲームにほかないのだ。

 中国人の言い分とは、8時間の勤務時間以内ちゃんと仕事するなら、別に残業する必要がない。残業するのが美徳ではなくむしろ効率悪い証拠なのだ。まして自分の仕事が終わったにもかかわらず、上司が帰らない限りに一般社員も帰りづらい「お付き合い残業」の雰囲気の中で、仕事の効率を図るどころか、心の苛立ちがピックになっていく。

 しかも、大切なプライベートの時間が残業に取られてしまった上、残業手当までもらえないとますます損した気分なのだ。


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