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ネット上の口コミは勝負のカギ

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   中国で商売するなら、まず中国のネット事情を勉強しなければならない。なぜなら、中国のネット上での口コミは御社の商品の売れ行きに左右する大きな力を持っているからだ。

 中国人が買い物をする時、買うか否か一番の決め手は、広告宣伝でもなく専門雑誌でもなく、周りの人達の口コミなのだ。特に大きな買い物するときこそ、そのような傾向が著しい。なにしろいくら素晴らしいとメーカー側に宣伝されても、肝心な部分が見えないまま押し付けられるのが到底納得できない。開示された情報が少ないため、参考になるのはインターネットの口コミしか頼りがない。

 日本企業もその手を使わない理由がないだろう。

 中国で商品を販売する時に、とにかく「話題」を作ってインターネット上で発信するのがお勧めである。どんな「話題」でもよいがポジティブ性が必要。モニター試用サービスなどを全面に打ち出し、試用者から商品に対する積極的なコメント、感想を引き出して、またインターネットで広げていく。そうすると、口コミが口コミを呼び、大きな反響を得られる。

 口コミも両面性がある。逆に、何らかのクレームが来た時、スムーズに対応しないと、すぐ悪口がネット上で炎上する。中国人は自分の利益に「損」を感じた時に感情的になりやすいため、その怒りの爆発は収拾がつかない方向に走りかねない。

 日本の会社、特に大手企業は現場の人間に裁量権がないため、どうしてもクレームの対応が後手後手になってしまいがちだが、中国人の消費者から見れば、それはただの傲慢にほかならない。

 一方、会社の不祥事なども、すぐにネットで流され、ライバルの恰好な攻撃材料になりうる上に、会社(商品)のブランドイメージがあっという間に下がってしまう。

 中国では雇われレビューライターが沢山いる。依頼会社から報酬をもらって、依頼会社のライバル社に不利なレビューを書いたり、掲示板で変な噂を流したり、極端な例でデタラメなことまで投稿するライターもいる。

 2010年、中国で一番話題になったのは、牛乳製品を製造する「蒙牛(モン ニュウ)」という大手会社のマネージャーがプロのライターを雇って、ライバル会社の商品に有害物が検出されたという噂をネット上に流させ、ライバル会社が大きな損害を被った。結局そのマネージャーの手口がバレてしまい警察沙汰になってしまった。

 これは反面教材だが、中国ではネット上の口コミの威力はいかに強大かを表しているのである。
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