ブログをブ日記と呼んでた人間によるノマド周辺観察
「ノマド」の回りがなんかまた騒がしいな、と思ったらテレビで取り上げられたんですね。
その前からノマド回りはどうも批判的な言説がたくさんでてきてますね。ぼくの場合「ノマドって良いですよ」みたいな言葉を聞く前に「ノマドって(笑)」的な発言が噴出する方を先に目にしてしまったような印象(まあ、ぼくの観測が遅いだけなんだけど)です。ぼく自身は会社にいて、でも仕事は自宅とかコワーキングとかいろんなところでさせてもらっているので、ノマドには決して悪い印象はないのですが、いっぽうでノマドのうさんくささ、ノマドの良さ、どっちの気持ちも分からなくはない感じです。
良さの方はまあいまさらぼくが主張しなくても良いとして、問題はうさんくささですよね。結局ノマド的なワークスタイルに合う仕事なんてそうたくさんなくて、ノマドすればハッピーばんざーいみたいなのが脳天気すぎていらっとくるんでしょうか。実際はそんな主張はあまりないと思うのですが、特別ワークスタイルなどを取り上げる場合に、その良さが過度に強調されるのはありえる話ではあるものの、リアリティがなくていやだというのはわからなくはないです。
それともあれですかね。フリーランスなんていままでにもいたし、いま言われてるノマドと呼ばれる働き方なんて昔から珍しくもなかったのに、いまさらノマドとか横書きでいわれても恥ずかしい止めろ、ってかんじですかね。「ブログ」が盛り上がったときみたいに。あ、これならなんとなくわかる気がします。ぼくもいまだに泥臭い「Web日記」の表記のほうが好きですからね。
そうえいば、ずーっと昔につけたはてなブックマークにいまさらはてなスターがつきだしてなんだろうと思ったら、クリエィティブな足立区が再フィーチャリングされていて、その方が冒頭で書いたNHKでのノマドの象徴として取り上げられていたんですよね。ぼくはその記事には否定的というかあてこすりめいたコメントをしてたわけなんですが、結局のところ、その人の「せるふ ぶらんでぃんぐ」とやらはいまのところ成功してるってことなんですよね。うーん。ここには確かにノマドのうさんくささに通じるものがなんかある気がするなと感じます。ただ、それを突き詰めてもただの遠吠えになってるような気がしてくるので「やっぱり鈍感力的なものがないとダメなのか」とだけ書いて止めておきます。
まあ、そんなわけでいろんな思惑が重なってノマドにうさんくささが伴ってしまう、というのはよく理解できます。が、結局「空気そのもの」の人なんてほとんどいなくて個々の人を見ると別に浮き足立っても居なかったりするし、ノマドと関係なく普通にうさんくさいひとも居るし、まあ、結局はひとそれぞれというこれまた良くある話に落ち着くんだと思います。
ブームで過剰に「よく見える」のも悲しいことですが、その反動で過剰に叩かれるのも悲しいのでちょっと書いてみました。ぼくの場合は、家庭があることもあって場所に捕らわれないノマドより少し場所的制限のあるコワーキングに親和性が高いことが分かってますが、これがすべてのひとにベストなわけではないですね。いずれにせよ、その人がいちばん能力が発揮できるワークスタイルがとれればそれに越したことはないわけですから、世の経営者の皆さんはぜひそのあたりのご検討をどんどんしていっていただけるようよろしくお願いします。