ソーシャルメディアマーケティングの主役はSMO
ソーシャルメディアマーケティングを、顧客との対話であるとか関係樹立、と決めつけるのはあまりにも無責任だ、と僕は考える。消費者の歓心を買うことを狙ったコミュニケーションはリスクを伴うからだ。
むしろ重要なのは、ソーシャルメディアが生み出すトラフィックがいまや検索エンジン起点のそれよりも大きくなっている事実を考慮することであり、すなわちSEO同様、かなり技術的要素の高い、SMO(ソーシャルメディア最適化)対策を施すことにある。
拙書「ソーシャルメディアマーケティング」でも、ソーシャルメディアからのトラフィックを最大化するための手法を中心に、実践的なプランを述べている。顧客に好かれることは非常に重要であるが、それだけのことであればTwitterでのつぶやきによるコミュニケーションは逆に非効率だ。140文字という字数制限による不用意な対話はblog以上に炎上リスクを持つからだ。僕が推奨するTwitterの、法人向けの基本的な使い方はあくまでも広報的な、丁寧かつ慎重な情報公開であり、属人的な"トーク"のスキルによる他のユーザーとのやりとりではない。
企業はTwitterやBlogなどを積極的に利用するべきだが、より重要かつ詳細の情報が掲載されているLP(ランディングページ)への誘導を基本的な利用法であると認識するべきだ。間違ってもTwitterだけでコミュニケーションを完結させようとしてはならない。
ソーシャルメディアマーケティングの中心におくべきは、自分達の情報を如何に発信するかではなく、ソーシャルメディア上のクチコミを如何に刺激して、話題をつくり、そのトラフィックを自分達のLPにスムースに向ける導線を作ることにある。また、自分達のサイトに書いた情報を、同じようにスムースにソーシャルメディアへ転記してもらうための工夫にある。これらの施策を、総称してSMOという。
企業は自社の広報戦略上で、このSMOとモバイル対応(ケータイはもちろんiPhone / iPadに最適化されたサイトを用意)することが非常に重要であると考えている。
モディファイでは、ソーシャルメディア向けのコンテンツ配信システムであるSM3と、Twitter連動のLPであるRTポータルを中心とした自社技術と、MT/WPを使ったブログフォーマットによるSMO対策済のWebサイトの制作(上述のモバイル対応は必須だ)を、自分達のソーシャルメディアマーケティングの基本ソリューションとしてクライアントに提案している。
われわれの考え方はシンプルだが、小手先のキャンペーンではなく、長期的なブランディングを行ううえでのプラットフォームの提供を自分達のミッションと思っている。