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ソーシャルストリーム時代のソーシャルメディアマーケティングーTwitter登場以降

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ソーシャルメディアマーケティングとは、ソーシャルメディアにフィットした新しい武器を活用して、競合他社を出し抜くための戦略と戦術である。

Twitterの登場以降、ソーシャルメディアは、マーケティングファネルの中の動きをデジタル化し始めている。それもほぼリアルタイムで。

ソーシャルメディアマーケティングという言葉自体は、実はそれほど新しいものではない。恐らくブログやSNSが台頭してきた2006年あたりには既に存在していたと思われる。その頭文字をとってSMM(Social Media Marketing)と略されることがよくあるが、同時にソーシャルメディア最適化すなわちSMO(Social Media Optmizing)という言葉と併用される場合が多いことは先に述べた通りだ。要は検索エンジン最適化あるいは検索エンジンマーケティング(SEO/SEM)と対比した表現だ。

SEO(検索エンジン最適化):「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」。GoogleやYahooといった検索エンジン(サーチエンジン)で、 キーワードやキーフレーズでWebサイトを検索した時に、検索エンジン(サーチエンジン)の検索結果を表示するページの上位に自社Webサイトが表示されるようにホームページを改善すること

SEM(検索エンジンマーケティング):「Search Engine Marketing」の略。検索エンジンを活用したマーケティング手法の事を指す。

ただ、先述したように、2006年時点のソーシャルメディアと2009年のソーシャルメディアでは、その構造も性格も役目もまるで違う。2006年のソーシャルメディアが静的な湖畔であるとすれば、2009年のソーシャルメディアは激しく海流が巡っている動的な大海だ。

例えば、動画を共有するサービスとしてはYouTubeが有名だが、日本ではアップされた動画にリアルタイム的にコメントを投げ込むことができるニコニコ動画が台頭し、人気を博している。世界では2007年3月に設立されたUstream(ユーストリーム)というライブ動画共有サービスが急成長を果たしている。Ustreamは、動画の視聴者とリアルタイムでチャットしたり、視聴者から投票を受け付ける機能などがあり、Twitter同様2008年のアメリカ合衆国大統領選挙で多くの候補者にライブストリーミングツールとして利用されたことで有名になった。ニコニコ動画とUstreamに共通するのはリアルタイム性だ。特に、UstreamはiPhoneという強力なパートナーを得たことで、動画のリアルタイム配信(ライブストリーミング)のインターフェイスとして、非常に強力な存在となった。YouTubeが動画の世界のBlogとすれば、Ustreamは動画の世界のTwitterと言っていい。

同じように写真の共有サイトといえばFlickrだったが、いまやTwitpicなどのTwitterに画像を投稿するための補助的ツールとして生まれたさまざまな画像共有サービスに圧倒されつつある。ここでもTwitterとiPhoneと組み合わせは最強だ。

従来のソーシャルメディアマーケティングは、そうした古い認識の、静的な動きの遅いソーシャルメディアを意識して構築されていた。湖と海では生態系も違う。同じ釣りでもやり方は全く違うのは言うまでもない。むろん、われわれが提案しているのは、新しいソーシャルメディアに対応した、新しいソーシャルメディアマーケティングであることはいうまでもないだろう。

ー オガワカズヒロ著『ソーシャルメディアマーケティング』から引用(ソフトバンククリエイティブより近日発売予定)

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