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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

中国『小貴族』と独『SMART』の酷似をみて、決意を新たにしました

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人まねを恥ずかしいと思わない、厚顔無恥である、ということは開発途上国あるいは文化的に未熟な国や企業にとってはある意味強みでもある。ヨーロッパの各国のように自国の文化に自信とプライドを持つ民族は滅多にそういうことをしない。
彼らは基本的にオリジナリティを重視する。ゼロから何かを生み出すことに関して強いプライドを持っている。よくも悪くも非常にユニークだ。

NIKKEI NETの記事によると、中国の双環汽車という自動車メーカーが上海国際自動車ショーに、ドイツ ダイムラークライスラーの超小型車『SMART』に酷似した小型車を発表している。名前は『小貴族』(よくもまあ、貴族とはいけしゃあしゃあと(笑))。

写真を見比べてみれば分かるが、これは明らかな模倣だ。

SMARTという車の名前の由来はスモールメルセデスアート(Small Mercedes Art)の略なのだが、スウォッチとメルセデス・ベンツが、都市生活者のためのシティコミューターとして設計したものだ。ヨーロッパの狭い街路を走り、普通の車なら横付けして駐車するスペースに鼻からつっこんで縦に停められるほどのコンパクトな車格。ヨーロッパの市内を走る車の平均登場者数が1.2人であることから、2名乗車として設計された。しかも、小さな車であっても、万一事故を起こしたとしても人命を保護するだけの強靭なボディを得るために、さまざまな工夫が為されている。可愛らしい外見は、そうした設計思想を実現し、かつそれをユーザーに納得してもらうために考案された、必然的な意匠(デザイン)なのである。SMARTは残念ながら事業としては苦戦を強いられているが、その志は美しい。

こうしたものを、背景となる思想を全く考えずに模倣するのは、デザインを単なる「みため」であると考えている証拠だ。同時に、そういう志を持たずに、設計や意匠面でのコストをケチり、猿真似商品を安く提供すれば売れるだろうという安易な考えかたである。
中国には残念なことにこういう意識がまだまだ強い。韓国や台湾もそういうところがあったが、いまでは本当に優れたデザイン商品を輩出する、オリジナリティ豊かなメーカーが増えている。

ただ、日本人も実はあまり人のことは言えないところがある。その昔、初代iMacの粗悪な模倣をするメーカーが相次いだこともあるし、インターネットビジネスを見ても、シリコンバレーベンチャーの真似をしているサービスが多い気がする。クローンサービスは本当に多い。尊敬するソフトバンクの孫さんでさえ、タイムマシン経営なる言葉で、アメリカで成功したモデルを日本に輸入すればそれで成功するということをおっしゃっているのは至極残念だ。


僕の知人(女性)は、「キレイ」「カワイイ」と言われるよりも「面白い」と言われることが何よりもうれしい、と言った。面白いということはユニークである、つまり他の人とは違う、ということだからだそうだ。ユニークである、ひとと違うことを恐れない、オリジナルである、自ら道を切り拓く、ということを実践できるかどうかが、少なくとも成熟した大人の文化を持つということなのではないだろうか。


僕もまた、1ヶ月以内に新たなサービスを世に出すための準備をしているが、コンセプト、デザイン、サービスモデルの全てに対して、オリジナルでありたいし、そのようにユーザーに受け止めていただけるよう、決意を新たにしている。Appleが尊敬されるのは、パイオニアであり続けるからだ。熱心なMacユーザーとしても、その志にあやかりたいと思っている。




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Comment(3)

コメント

ボウズマン

Exactly(まさに)!!

先日家族でTDLへ行って来たのですが、翌日ネットで「中国に国営アミューズメント・パークで、ディズニー模倣」という記事を見て、「またか」と思ってしまいました。「ディズニーランドは遠すぎる」 というスローガンを元に国を挙げて、北京石景山游来園(Shijingshan Amusement Park)に模倣ディズニーパークを作っているらしいです。記事によると「ディズニーランドのイメージいっぱいだが、キャラクターを使用許可は一切、取っていない。中国の著作権侵害を端的に表す例として、米国政府は憤りをあらわにしている」とのこと。

私の尊敬する元アップルコンピュータ日本法人代表取締役の前刀禎明さん(ウォルト・ディズニー・ジャパンでのキャリアもある方です)もこの記事を読んだらきっと嘆くだろう。

いくら模倣文化、パクリ合戦の社会とはいえ、最低限のルールやマナーはあるのではないか、と感じました。
小川さんの哲学、ポリシー、心意気に賛同し、私も心新たにオリジナリティへの道を邁進しようと思います。

小川さん、modiphi期待しています!

hiro ogawa

ありがとうございます。
ご期待に添えるよう、良いサービスを作りたいと思いますので、今後とも宜しくお願いいたします。

ふぉわ

小川さんの本当に言いたいことは、前段ではなく後段の方ですね。創造も模倣から始まると言われるように、創造と模倣の境目を定義するのは難しいですが、私も現状のネット企業経営者を見て「誇りってものはないの?」と聞かずにいられません。

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