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OKWebのRSS戦略 - 杉浦取締役に訊け!

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今回は趣向を変えて、RSS/Atom Feedを事業戦略のメソッドとして採用している、もしくはこれから検討している企業の中心人物をゲストを迎えて、生の声を聞いてみた。割と昔から行っている手法なのだが、今後も時々織り交ぜてみたい。

杉浦氏第一回目は、日本最大級のQ&Aコミュニティサイト OKWebコミュニティなど、様々なFAQソリューションを提供しているITベンチャー 株式会社オーケーウェブ(以下OKWebの杉浦嘉泰 取締役を招いて話を伺った。

杉浦氏の経歴をざっと紹介すると、早稲田大学理工学部化学科卒業、株式会社日本インベストメント・ファイナンス(現NIFベンチャーズ)、パンアジア航空株式会社(現スカイネットアジア航空株式会社)、株式会社ブイ・シー・エヌを経て、OKWebに入社された。
もともとOKWebに入社するきっかけは、ブイ・シー・エヌ時代にOKWebの立ち上げに携わったことがきっかけで、OKWebの兼元社長が経営力強化のために人材を捜していたおりに共通の知人を介して知り合ったという。

杉浦さんによれば「(OKWebでの杉浦さんの担当の事業エリアは)大きく二つあって、OKWebサービス導入のコンサルティングや導入前の活用事例の紹介、企業向けのカスタマーサポート支援サービスであるQuick-Aの紹介など、前線の営業部隊への支援。もう一つは、フリーなポジションである経営企画室で、会社と会社とのアライアンスを進めていくこと。ある程度形にして現場につなぐ」とのこと。

OKWeb RSS配信スタートは、コミュニティ内の全投稿に対する新着情報の配信の形では実は2004年の年末には一部の顧客企業向けに始まっていたという。ただ、外部に公開したのは今年の8月で、OKWebコミュニティのカテゴリーごとの新着情報をとれるようにした。また、流行を先取りしてポッドキャスティングにも対応したという。

OKWeb自社サービスと「教えて! goo」などのOEM先を含めた全Q&Aサイトの中に、約680万件のQ&Aがある。最近、その中から選りすぐりの43件をピックアップした書籍にまとめて出版したのが「教えてください!!」(ライブドアパプリッシング出版)。「教えてください」面白いQ(質問)としては、「靴下はなぜ片方ばかり無くなるのか」「たった今主人がムカデにかまれたんですがどうしましょう」などと、適度に気が抜けたというか緩さを持ったものが列挙されていて面白い。このようなコンテンツを音声化してポッドキャストを始めているとのことだ。
「OKWeb社内に投稿のチェック部隊がいて、彼らをパートナーと呼んでいるのですが、1日1万件以上のコンテンツから公序良俗に反するものなどを削除するかたわら、”今日のOK(ベストQ&A)”をピックアップして、音声化してポッドキャスティングしています(杉浦さん)」

OKWebにおけるRSSの使い方は、関心のあるQ&Aに何らかの新コンテンツが入ってきた場合の通知ツールとして、であるという。元々メールを使って通知していたが、RSSのほうがより効率的であると考えて採用した、とのこと。
OKWebでは、350以上のカテゴリ、例えばコンピューター、教育、政治、結婚恋愛相談に至るまでのやりとり、質問が投稿されている。それらの新着の連絡手段としてRSSを活用し始めた。

「理由率はまだ正確には計っていないが、アクセスは増えたことは事実」と杉浦さんはいう。
「私が一つ興味があるのは、ネットの世界は、Blogも発達して、個人が誰でもウェブを持てる時代になってきたのは事実ですが、今後RSSがもっと一般になれば、情報の伝達|発信というブロードキャスティング的なことが個人単位で一般的になりますね。そのときに一番重要なのは、情報の氾濫に対して選別が重要、情報を選別にする人が必要ということです。それをOKWebがやっていきたい」と杉浦さん。

この大量に流入する情報を如何に選別していくか。それがFeedをベースとした情報活用を実用化する上でのキーポイントになる。この点においては僕は100%杉浦さんの意見に賛成である。

杉浦さんはさらにこう続ける。
「質問と回答という側面を見ると、疑問に対する回答策、それには幾つかパターンがあるわけで、それは、そのものずばりの回答以外にも”ここに回答があるよ”的な回答もあります。これはある意味人力検索もしくはコンシェルジェの役目を果たしています。RSS流通の中からこうした新しいコンンテンツを選別できたりすると面白い。情報を探す人の役割が面白いんです」

何か困ったら、探したいものがあったらOKWeb、そういう世界観を作りたいと杉浦さんは締めくくってくれた。

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