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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

Netscape上場から10年・・・

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本日の日経産業新聞朝刊を見て改めて思い起こさせてもらったのだが、10年前の1995年8月9日(米国時間)、NASDAQにNetscapeが上場したことをきっかけに、インターネット業界と呼ばれる市場がその産声を上げたのだった。

当時僕はマレーシアのクアラルンプールにおり、KLIA(KL国際空港)、KLCC(クアラルンプール・シティセンター)などの大型プロジェクトに一枚噛もうと奮闘していた時期で、インターネットは一ユーザーとして関心を持っていただけで、業界的には全く異なる場所にいたのを思い出す。
しかし、Netscapeのチャレンジと成功(そしてその後の挫折)に強くインスパイアされたとはいえ、その2年後には会社を辞し、自らアジア在住邦人をメインターゲットにしたポータルサイトを立ち上げることになるとは思いもよらなかったのだが・・・。

Netscapeはご承知の通り、結果的には(Microsoftに正面から喧嘩を売るような)自らの傲慢さ、Yahoo!のようなポータルビジネスへの無関心(その後Netcenterというポータルを作りはしたが)が災いして、AOLに身売りした後、創業メンバーも散り散りになっていった。その意味では、事業としては敗北者と言える。
しかし、Netscapeは失敗だったか?と問われれば、偉大な成功であったと答える。創業メンバーは金銭的には十分な見返りを得たし、ブラウザというインターネットへの窓を開けたことや、彼らに続くネット企業の成功を導いたという意味でも先逹として大きなリスペクトを得た。また、SSLをはじめとする技術革新の恩恵は大きく、今にわかに注目されているRSSもまたNetscapeの残光の一つである。新たに設立されたMozilla Corporationのような素晴らしい試みにもつながっているわけだし、Netscapeという名は、インターネット事業に関わる者にとってはいささかも輝きを失なっていない、と思っている。

あれから10年。Next Decadeにおいて、真に輝くことが出来るのは果たしてどの企業だろうか。

(追記1)
安岡さんからいただいたコメントによると、QWERTYがタイピングスピードを落とすために考案されたというネタは事実ではないらしい。ただ、エントリーの趣旨には影響が無いので(つまりQWERTYより効率的な配列がなんども試されたのは本当なので)、本文はそのままにしておく。

(追記2)
昼休みどきに、数年前KLで苦楽をともにした昔の仲間にばったりと。
偶然というのは時として、なぜか素敵ないたずらをする。

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