友人・知人・他人、違いを活かす方法
米スタンフォード大学教授Mark Granovetter氏の研究にあるThe Strength of weak tiesによれば、人と人との関わりが弱い程、仕事や転職などの話に繋がりやすいとあります。家族や仲の良い友人等、自分の密なネットワーク関係にある人達とのコミュニケーションは実は無駄が多く、さらに自分と似通った興味、趣味、思考、情報を持っているため、新しい情報を探索するには不向きという事です。一方、ただの知り合いや友人の友人等、自分とあまり密な関係にないネットワークでは、無駄な会話もなく、個々が自分と違った興味や情報を持っているため、仕事や転職等様々な紹介が生まれたり、何かを探索するには非常に適しているという内容の研究です。つまり、何かを探索する際の本当の可能性は、友人や家族等の非常に近いネットワークより、自分と弱い繋がりを持ったネットワークの中にこそ埋もれていて、弱い繋がりというのは場合によっては強い繋がりより遥かに有効であるという事が証明されています。
例えば上図は、有名どころのサイトいくつかをユーザー間のコネクションの強さが高い順に適当に配置してみたものですが、当然の事ながら自分とのコネクションが強くなるにつれて絶対数が減り、全くの他人になるほど絶対数は増えます。ご覧の通り、何かを探索する際に使うサービスは大体三角形の下の方に来ています。これは、ユーザー間の関わりが薄く、かなりのボリュームを絶対数として持っている層です。SNSは三角形上部に配置され、近い友人との情報共有に適していますが、何か情報を探す場合等は他人や自分と関わりの浅いネットワークから探すという事がわかります。
この考え方からいけば、知らない人やあまり仲の良くない人から来るfacebookの友達申請等も、実は意外に価値があるのかもしれません 。ただプライベートを覗かれるのはやはり嫌だし、かといってアクセス制限をするのもなんか面倒くさい。そこでGoogle+の出番という事でしょうか。いずれにしても、関係の近い密なネットワークとそうでないネットワークを使い分けるというのが本当は最も効率的なソーシャルネットワーキングの使い方なのかもしれません。