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大谷選手は二項対立を超えた

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アメリカのメジャーリーグで活躍中の大谷翔平選手。「投手と打者の二刀流」の成功は、日本人にありがちな二項対立思考の枠組みをも超えたという点で、もっと評価されるべきだ。

私たちは、二項対立「Aを選ぶのかBを選ぶのか」「AとBは両方選べない」という思考パターンに陥りがちだ。その昔、ある力士が親方に「相撲を選ぶのか、女性を選ぶのかどっちを選ぶんだ」と言われ、その女性との結婚を諦めた。その報道を知り、なぜ「両方大事だから、両方選ぶ」と答えられなかったのだろう・・・と思ったものだ。

大谷選手は「投手もやりたい、打者もやりたい」という気持ちがあり、その二つをやり切る能力があった。今の活躍は「どちらか一つを選ばなければ、ダメになる。大成しない」というそれまでの枠組みでの考え方を超えてしまった。大谷選手以前にも、二刀流で成功できた選手はいたはずだが、それまでの常識的な判断でどちらかの道を選んだのだろう。「二つできるのなら、二つできる環境を整えよう」という球団の判断は素晴らしかった。

二項対立にとらわれない柔軟な考え方を身に付けたいものだ。「AかBか」というときに「Cという道がある」という視点があれば、物事を解決する選択肢は増えていく。最近は「論破」が流行っているようだが、相手を論破したところで何も生産されない。論破は二項対立。そこを超えていきたいものだ。

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