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知財戦略の欠如

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仕事をしていて日本、もしくは日本企業にいくつか何とかしないとまずいと痛感することがある。その最近のトップ3として

 1.情報は保護するが、情報の関係性が無視されるということ

 2.サービスに製造業の価値観を持ち込むということ

 3.知財の戦略が見当たらないということ

1.例えば個人情報というものであるが、過去の検索履歴や位置情報、購買履歴などが個人情報にあたるのかどうかなど重要なテーマではある。しかし、その情報が流出することによって被る不利益を無くすことが大事な点であるが、今日個人情報の範囲が不明瞭なことから斬新なビジネスが生まれにくくなっているようである。

 すべての情報には(情報だけではなく価値があるものには)関係性が存在し、その関係性の中にこそ価値が内報される。例えば乾いた土地の農夫には雨の情報は貴重だし、金融先物のトレーダーには農産物の出荷見込みが死活となる価値を持つことはお分かりだろう。

「個人情報は重要です」とは勿論そうで、否定しないが、だからといってすべての情報の流通を規制し、一部には高価な暗号処理や認証処理を全国的にかけていくといったことが本当に必要なのか、そのソーシャルコストやオポチュニティコストが見合うのかということを議論しなければいけない。

これは実は「経営戦略の中でリスク管理は重要です」ということと同じ問題を抱えていると思う。これは悪くするとリスクにはいくら費用をかけたらいいかという思考を停止してしまう悪効果がある。

すべてのものがそうだとは言わないが、運用されていく中で、いくつかは経済合理性の中で再整理できるものが出てくるはずである。その整理が他の整理につながっていくことで社会的コンセンサスを醸成していくのではないか。

この情報の関係性が情報アクセス権の設定となり、セキュリティポリシーとして整理されなければならないのだけれど、ビジネスで問題としてぶつかってくるのは必ずといっていいほど「情報単体」でこられるので困る。

その場合、社会的影響を考えると「最悪のケースの想定」・・クライマーズロジックで考えざるを得なくなり、楽しいミライがどんどん減っていってしまうという困ったサイクルになりがちである。

勿論情報の信憑性もこれだけ情報量が増えてきている今日とても大事なテーマだが、関係性における価値/リスクを整理できる社会基盤が本当にできないかと考えている。

 2.サービスに製造業の価値観を持ち込むということと、エントリーのテーマである3.知財の戦略が見当たらないということはまた次回に

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