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消費者庁 vs 大幸薬品、クレベリンなどの空間除菌用品の害を見逃すマスコミの罪

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大手マスコミは「ネットデマ」とよく語ります。しかし、今、消費者庁が有害と告発した空間除菌グッズに対する報道でマスコミの矜持が問われています。

消費者庁が 2020年5月15日に行った「携帯型の空間除菌用品の販売事業者5社に対する行政指導はこちらです。

FireShot Capture 672 -  - https___www.caa.go.jp_notice_assets_representation_200515_02.pdf.pdf.png

携帯型の空間除菌用品については、「身につけるだけで空間除菌」等の表示が行われていることがありますが、当該表示の根拠とされる資料は、狭い密閉空間での実験結果に関する資料であることがほとんどであり、風通しのある場所等で使用する際には、表示どおりの効果が得られない可能性があります。

としっかり、その販売姿勢が厳しく問われています。濃い二酸化塩素ガスを使えば除菌とかウィルスに対する不活性化効果がある というのは事実でしょう。しかし、そのガスは有毒であり、ウィルスに効果があるほど噴霧すれば健康に害があるのも自明です。しかるに、携帯型で首から下げる空間除菌というのは本質的に矛盾があります。ウィルスが不活性化されるほど濃度が高くないと無意味ですがそうなると人間の健康に有害なわけです。

この問題を喚起した政治家もいます。自由民主党の石原伸晃さんです。こちらのように注意喚起をされていました。

FireShot Capture 675 - (1) 石原伸晃さんはTwi_ - https___twitter.com_IshiharaNobu_status_1276733949058805760.png

リンク先の記事にはこうあります。

一方、人がいる場所で空間に噴霧すると、吸入してしまうおそれがあるとして、人が吸入しないよう注意を呼びかけるとともに、空気中のウイルス対策には、消毒剤の噴霧ではなく、換気が有効だとしました。

とはいいつつ、新型コロナで入院された石原伸晃さんの近影写真には、クレベリンを首から下げた写真 シャープのプラズマクラスターモバイルタイプらしきものを下げた写真が載っていました。

FireShot Capture 678 - 自民・石原伸晃元幹事長が新型コロ_ - https___mainichi.jp_articles_20210122_k00_00m_040_230000c.png

ウィルスを不活性化させるほどの濃度であれば、自身の健康に害が及ぶ可能性が高いという理解はされてなかったことが非常に残念です。お忙しい方なので周りからのレクチャーで違った理解をされていたのかもしれません。

市販プラズマクラスター発生機のウイルス除去効果ほぼゼロ」というエントリーを以前書いたように、これまた実験室で高濃度のプラズマを照射してウィルス不活性化を確認とプレスリリースしていますが、市販の装置とは全く濃度がことなるものであり別モノであると断言できます。
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新規電気製品の浮遊ウイルス除去効果、HEPAフィルター装着空気清浄機に遠く及ばず」 日経メディカル 2011/10/18の記事が分かりやすいのですが、実際に近い環境で現物の家電を使ってインフルエンザの浮遊ウィルス除去効果を実験したところ、HEPA空気清浄機の効果と比べて プラズマクラスターやナノイー などの新家電の効果は遠く及ばないことが確認されたことがわかります。
プラズマクラスターについては
実験の結果、まずプラズマクラスターイオン発生機では、活性ウイルス量の推移は、コントロールの経時的自然減衰、すなわち何もしない状態のウイルス量変化と変わらなかった。
とされ、何もしない状態とウィルス量は変わらずと効果がまったく確認できていないことが分かります。

ともあれ、消費者庁が注意喚起した商品を無償提供するという情報を垂れ流して報道する日経新聞には非常にがっかりさせられます。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHD1655C0W1A210C2000000/

大幸薬品、クレベリン12万個を無償提供 全国の病院に

大手マスコミは科学的事実を吟味してくれないと報道機関としての矜持はもうなくて、大手企業のプロパガンダを垂れ流す、媒体に墜ちたと批判されてもしかたないでしょう。
日経新聞社には日経メディカルなど専門記者も多く所属する媒体を持っていますが、日経メディカルでさえもこのできごとを垂れ流して報道しています。
新聞とか雑誌とか媒体が限られた時代のイメージを利用して、限りがないウェブメディアに、プレスリリースを、そのまま垂れ流している場所もあるのは理解しています。しかし、こういう、情報の吟味を放棄した姿勢はマスコミという存在意義を自己否定する行為であり、断罪されるべきものである、そう確信しています。

追記:石原伸晃氏が着用された装置についての記述を差し替えて、説明も追記しました。
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