G20国際メディアセンターに水素水ボトル缶が置かれた3つの理由
科学的根拠がないという批判を受けて、販売元の伊藤園も
Q. なぜ水素水を販売しているのですか?
A. 水分補給の1つの選択肢として販売しております。
と書いている、水素水。一時期のブームは去ってあまり店頭で見ることも無くなったと持っていたらG20の国際メディアセンターに置かれていると話題です。
国際メディアセンターに並ぶ水素水。
-- Akiyoshi Komaki 駒木明義 (@akomaki) 2019年6月28日
大阪G20。 pic.twitter.com/KiV7GG5U4L
どうしてこんなことが起きたんでしょうか?
理由1:安倍首相が科学的根拠が薄い健康法が好きだから
これは非常にありえる話しで、伊勢志摩サミットでも置かれていたのに続き置かれたことからも政権がこういう、ニセ科学と批判されるようなものをより積極的に取り入れていることはありそうです。安倍昭恵婦人が「水からの伝言」とか「波動」とかを信じているとかの報道も多くその影響なども心配されます。
理由2:「プラスチックごみ問題」が注目される中、ペットボトルでなく、アルミボトル缶使用ということで選ばれた
プラスチックごみ問題はG20のテーマにもなっています。環境をよくする課題だけでなく、産廃プラスチックごみの輸出や輸入規制など非常にホットな話題です。そういうプラスチックごみ問題を報道する場所に、ペットボトルの水を置くのはどうなのかと考えてだったら、アルミ缶に入っている水がある ということで、伊藤園の水素水アルミ缶が選ばれた可能性は考えられます。
日本でのアルミ缶のリサイクル率は92.5%とされ、環境への配慮という点で説明しやすいところです。
ただ、缶入りの水というものに馴染みが薄いわけで外国人記者向けにそれが水であるという説明もないようであり、アピールになっているのか?という疑問も残ります。
理由3:「水素エネルギー」推しの一環で水素水を提供した
「水素エネルギー」というと、馴染みが薄いのですが、燃料電池車などではエネルギーを一度水素に変えて利用するということでその水素を利用したエネルギー利用を水素エネルギーと呼ぶようです。
G20、廃プラ・水素など議論 エネ・環境相会合開幕 2019/6/15 9:19 日経新聞
国際的に問題になっている海洋プラスチックごみ(廃プラ)対策の合意をめざす。火力発電で出た二酸化炭素(CO2)を再利用する「カーボンリサイクル」や水素エネルギーなど、脱炭素に向けた技術革新の連携を探る。
という記事も出ているくらいで、日本として力を入れている水素利用をアピールしたいという思惑は考えられます。太陽光発電が余って買い取られなくなるケースが増える昨今、再生可能エネルギーを貯蔵する手段としての水素とかに期待があるのは分かるのですが、それを科学的根拠が無いと批判される、水素水と絡めるのは筋悪だと思うのですが、廃プラも話題だしの合わせ技で選んでしまったのは考えられます。
以上3つの理由を考察しましたが、科学的正しさがあまり重視されないという現政権の問題、原発の再稼働に対しも避けたままで、この点は民主党の野田政権の方がマシだったといえるでしょう。参院議員選挙も近づく中、科学的な正しさをより重視する方向へ日本の政治が動いてくれることを期待しています。