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米マイクロソフト、リンクトイン買収の狙いは?そして取り残される日本

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2.8兆円ほどの大規模な金額でMicrosoftによるLinkedInの買収が発表されました。日本だと、LinkedInは外資系企業の転職サービスとして主に使われており、「転職サービスを買う?」とかの反応があります。まあ実際そういう用途がメインですが、海外だとLinkedInの使われ方はもう少し広く、ビジネス向けのソーシャルメディアであり、ビジネスの繋がりをメンテナンスするツールという趣です。つまり、名刺管理サービスのSansan とちょっと似ています。
Microsoftはこの買収について投資家向けにこうコメントしたとDow Jonesが報じています。

"Today there is no one source of truth for an individual profile -- the data is often scattered across many endpoints often with outdated or incomplete information," Microsoft said in an investor presentation. "In the future, a professional's profile will be unified and the right data at the right time will surface in an app, whether Outlook, Skype, Office, or elsewhere."

坂本試訳

「今日、個々人の属性情報について正しい情報源は存在しない。というのも、データはあちこちに散在し、陳腐化や、不完全なものになっている」Micrrosoftは投資家向け説明でこう述べた。「将来、ビジネスプロフェッショナルの属性情報は統合され、正しいデータを適切な時に、Outlook、Skype、Officeを始め様々なアプリから使えるようになる」

CEOのサティア・ナデラはプレスリリースの中で、Office 365とCRMのDynamicsについても述べており、フロントエンドとバックエンドの両方で、ビジネスプロフェッショナルの属性情報(≒名刺情報)の連携が意図されているようです。

マイクロソフトがその情報を使い放題になってしまうんじゃないか?という心配が広がっていますが、独立した事業体として維持すると発表されていますし、ひとまずそこは様子見でいいのではと思います。Facebookとかどこかが対抗ビジネスを立ち上げるかもしれませんが...。

取り残されそうな日本とビジネスチャンス

この買収、日本で分かりにくいのは2つ理由があります。まず、LinkedInがそもそも日本であまり使われてないことです。外資系企業に務めていると転職は当たり前でそのツールとしてLinkedInにしっかり履歴書情報を登録しているひとが多いのですが、逆に言うと転職があまり多くない日本では普及率が低いままです。

もう1つの理由は、日本でコンタクト管理ツールとしてのOutlookやバックエンドのデータベースとの連携があまり使われていないことです。Office 2000では小規模企業用のビジネスコンタクトマネージャー(BCM)というパッケージを日本で出しませんでした。あまり売れないだろうと分かっていたからです。その後、日本でも Outlook with Business Contact Manager が出荷されましたがあまりその評判を見聞きしません。小規模企業向けという設計なのですが、アメリカの小規模企業と、日本の小規模企業ではリテラシーや悩みどころが大きく違うのでフィットしないのでしょう。Cybozu とかの方が受け入れられています。

つまり、日本でこの買収はビジネス的な影響は見えにくいものになりそうです。そのギャップを埋める日本のニーズにあったサービスや製品が生まれることを期待しています。

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