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「日本が異常」ってい記事は疑え → 『Yahoo!』から見る「日本」の「異常さ」

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主にFacebookでバズっている " 『Yahoo!』から見る「日本」の「異常さ」"という記事。これ結論を言うと間違ってます。

【アメリカ】
世界のニュース:24%
自国のニュース:65%
スポーツニュース:7%
●●:3%
その他:1%

【イギリス】
世界のニュース:22%
自国のニュース:51%
スポーツニュース:15%
●●:12%
その他:0%

【日本】
世界のニュース:17%
自国のニュース:38%
スポーツニュース:9%
●●:35%
その他:1%


この「●●」にくるもの......それは「芸能ニュース」である。
アメリカでは芸能ニュースが『Yahoo!』のトップで報道されていた割合は、わずか3%、イギリスは12%。

それに対し、なんと日本では35%もの割合で芸能ニュースが取り上げられていたのだ。

トランスコスモス・アナリティクスの萩原雅之さんがご指摘されていたのですが、比較のポイントがおかしいのです。

ものを比べるときにアメリカ人は、「apple to apple で比較しろ」とかとか言います。性質が同じもの同士でないと比較にならない、条件を揃えろという意味です。この方はYahoo! 同士比べているから apple to apple になっていると見せているようですが、実のところYahoo! Janan とUSのYahoo!とは全く違うものです。検索ポータルとして強い力を持ち続け進化・発展を遂げてきたYahho! JapanとGoogleに検索を取られて違う方向に進化・転進を遂げてきた US Yahoo! はトップページの構造やそもそもロゴやブランドカラーから違います。

今のUS Yahoo! のトップはこんな感じです。
Snap46.png
これを見れば分かるのですが、芸能ニュースは 「Celebrity」で主に扱われます。先日亡くなったプリンスについてはNewsにあったりするとかいうケースとかがあるのでゼロではなく3%は含まれているのですが、そもそも基本US Yahoo!で芸能ゴシップは「ニュース」として扱われていないわけです。

なので、

------ US  日本

芸能ニュース 3%  35%

を「異常」だという指摘は間違っているのです、比べられないものを比べているので。

日本や日本人が異常だとか、特殊だとかいう記事は受け入れられやすく、批判的なものも、賞賛的なものも両方それぞれネットでシェアされ広がりやすいのが現状です。そういう広がりやすいテーマだからこそ反射的にシェアする前に一呼吸置いて疑ってかかるリテラシーを持ちたいものです。

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