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毎日新聞平田崇浩氏は、産経世論調査での安保法案反対デモの評価を(多分)歪めている

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フジサンケイグループの世論調査で「安保法案に反対する集会やデモに参加したことがあるか」と質問し、3.4%が「ある」と答えたことを わずかと論説したことに毎日新聞、世論調査室長・平田崇浩氏が突っ込みました。国民の3.4%なら、340万人に相当するデモ参加人数として考えたら相当な数だろうと。

http://mainichi.jp/feature/news/20150917mog00m070001000c.html

産経世論調査:安保法案反対デモの評価をゆがめるな - 毎日新聞 via kwout

確かにそうで、100万人動員と公称していた主催者発表を3.4倍上回る驚きの数字とは言えます。ただ、国会前の人数が3万人程度か10万人超えるかが議論になる程度であり全国で100万人というのはありえない数字であり3.4%については、RDD(ランダムな電話調査)で回答を1000集めたらそういう答えが34も集まってしまった としかいいようがない数字でもあります。電話をかけてもなかなか答えてくれないという現状で「意識高い人」がそれだけ集まって仮想的な率が出たと考えるべきでしょう。

とはいえ、毎日新聞の平田崇浩氏は世論調査室長という立場から、世論調査でありえない数字がでるとかいう事実を認めにくいことでしょう。そこで340万人もいたということを示すのだと、産経新聞に食って掛かってしまいました。

回答数34からの数字でも、共産党支持者が最大で、4割前後だったろうとは推論可能

さてその、34という数字を元に平田崇浩氏は筆が暴走しています。

 産経新聞の記事は、デモ・集会に参加したと答えた3.4%の内訳分析まで行っている。「参加経験者の41.1%は共産支持者で、14.7%が社民、11.7%が民主、5.8%が生活支持層で、参加者の73.5%が4党の支持層だった」。これも首をかしげざるを得ない。参加したと答えた推定人数わずか34人を母数に、支持政党の内訳をパーセンテージで、しかも小数点以下まで算出することに統計的な有意性はほとんどない。数人の回答が変われば、大きく数字が動く。あえて記事にするのなら、「参加経験者の大半は共産党などの野党支持者だった」と書くのが関の山だ。そして、デモ参加者に野党支持者が多いことには何の驚きもない。

毎日新聞、世論調査室長に統計用語の間違いを門外漢の私が指摘するのはおこがましいのですが、ここで書かれた「母数」は本来、「標本数」のはずです。調査対象の母数は全国の有権者という多くの人でそこからデモ参加者という調査標本は34だけ選ばれたわけです。その34はRDD方式で偏りなく選ばれたという前提で考えると統計的な処理は可能です。デモ参加者の一角で34人意見を聴いたとかでは思想信条が偏って当然ですが、電話から集めた回答者であるのでバラけているはずだからです。

そこで、34人中14人が共産党支持だと答えたということはそれなりの意味を持ちます。もちろん、パーセンテージで比率を出すのは誤差が多すぎて意味がありません。しかし、共産党の約41%と社民の約12%とは5%有意水準で見ても意味ある差があります。デモ参加者のうち、共産党が4割前後を占めて最大多数で、残り3割程度が社民、民主、生活支持層だった」という見立ては可能です。

ものは言いようですが、最大野党の民主党がデモの最大母体ではなく共産、社民がより多かったとみられるということはこの調査で推測できるでしょう。

一般市民の集まりという宣伝の一方で実際のところは伝統的左派がデモの中心という推定がはじめてされたという点でフジサンケイグループの調査は評価すべきと考えます。もちろん、3.4%という数字の怪しさとか問題山積です。しかし、デモ参加者が調査で支持政党を正直に答える調査を行う困難さを考えるに、この調査を上書き訂正するようなことを毎日新聞が行えるのか?というと大いに疑問です。

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