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ドコモ障害の原因は必要なパケット交換処理量(スループット)の見積もりミス

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1/30 追記:補足訂正エントリーを iPhoneより2倍シグナリング帯域を潰すAndroidがドコモを落とした模様2012/01/28 で書きましたのでこちらもご覧ください。

大きな影響をあたえた1/25のドコモの通信障害。最初JR山手線の事故が原因とか言われていましたが、実際は、切り替えた設備の処理能力不足にあったことがわかりました。

以下は発表資料からの引用です。
http://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/2012/01/26_00.pdf

Snap1469

新設備は、同時接続数の面では増強ですが、1時間あたりの信号量(スループット)では、既存より減ることになりました。ただ、必要とされるスループットの想定が正しければ問題ないのですが、想定の1,200万/時間を超える1,650万/時間の トラフィックがあったため処理能力不足で障害に繋がったようです。

現状のトラフィックが把握できていなかったことについて、門外漢としては非常に疑問を感じるのですが、いずれにしろ、より分かりやすい同時接続数能力に焦点をあててスループットへのケアが欠けていたことは確かなようです。

「パケット放題」というiモード時代の常識を早く捨て、従量課金的なしくみへ移るべき
現状のパケット放題という料金体系はiモード時代の遺物であり早く従量課金的な仕組みに移るべきだと思います。
iモードでは、使うパケットのデータ量自体がスマートフォンと比べて非常に少ないため、使い放題になっても必要とされるスループットは桁違いに少ないものでした。一方スマートフォンでは発表資料にもあるように様々なアプリが通信を行い得るため、従量課金的な抑制の仕組みが無い限り青天井にトラフィックが増えることが考えられます。

安定で信頼されたドコモブランドが、スマートフォン時代への変化で前提条件が一気に変わり不安定になっていることが露呈しました。ここで従来の常識が通じないという認識にたってサービスを新しく作りなおすようなつもりでの取り組まれることを期待します。

13:11 追記
産経経由の報道で、どうもこれは人気アプリLINEが主要因と疑われていることが分かりました。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1201/26/news042.html

また「制御信号」の増大につながったスマホのアプリについては、パケット通信を使って“無料通話”ができる「VoIP」やチャットなどの「コミュニケーションアプリ」としたが、具体的なアプリ名については「特定に至るものではない」と明らかにせず「(携帯電話の)各キャリア共通の問題であり、情報交換を進めたい」などとした。

もちろん、Skypeとかもありますが、普及度からいうとLINEがパケットをだいぶ使ったことが推定されます。
「パケット放題」という料金体系が時代に合わなくなっているとますます言えそうです。

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