マーケティング、三大ギタリストの法則 - 縛りと物語が生む納得
マーケティングの中でもとりわけブランディングは、見込み客や世間のマインドにどう入り込み場所を確保するかという競争です。名著「マーケティング22の法則」にあるように、望ましいのは一番手です。初の大西洋単独無着陸横断飛行に成功したリンドバークのようにそして、2番目では駄目でも有名になる方法は残っています。日本初の女性金メダリストの前畑秀子氏、女性初の単独飛行に成功したアメリア・エアハートがそれです。
そういう客観的な「カテゴリ初」は価値を啓蒙し市場を教育することで価値を作り上げられます。
では、そんな客観的なカテゴリ分けが難しいときに方法は無いのでしょうか?
三大ギタリストの法則、三つを関連付けて選ぶことで納得させやすくなる:
その答えのひとつは、「三大XX」とかのように偉大なもの3つを並べてそこに売り込みたいものを入れてしまうことです。音楽でこの手法を使った有名な例は、ドイツの大指揮者、ハンス・フォン・ビューローが作って広めたドイツ音楽3B(Three Bs)です。JS バッハとベートーヴェンという文句のつけようがない二人に、同時代の人気作曲家、ブラームスを足して3Bという冠をつけました。ワーグナー、リスト、ブルックナーでなく、3Bという通りのいいネーミングと伴にブラームスを持ち上げたわけです。
そして、現代の日本音楽界の傑作は、三大ギタリストでしょう。
NHK-FMブログ:NHKブログ | 番組ここが聴きどころ | BShiでギター三昧!? 12日(日)から『ワールド・スーパー・ライブ 完全保存版!伝説のギタリスト』放送! via kwout
この言葉は日本で生まれたのは確かなようで、ヤードバーズ、ジミー・ペイジ好きの音楽評論家、渋谷陽一氏によって広く定着していきました。
ロックギターで偉大な3人を選ぶなんて価値観はそれぞれあるので土台無理な話なのですが、「三大ギタリスト」というネーミングをヤードバーズ出身の3人という共通点をつけて選ぶことで、「誰かを入れ替えよう」とかいう疑念を持たせずに、すっきりと人々のマインドに入れることに成功しました。これはビューローが3Bというネーミングでブラームスでいいだろうと思わせたのと同じ手法です。ジミー・ヘンドリックスが入ってないのは納得いかないとかそういう話があまり出ないのは、三人が甲乙つけ難い偉大なギタリストで共通点があって、一人抜きにくいという縛りのお陰でしょう。
この応用として、三大XXというのは数あるのですが、縛りと物語で納得いく選択にすることは大いに参考になりそうです。
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