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AB型は免疫力が低い1000年前登場の新人類!?日本テレビ深イイ話であまりにニセ科学な話

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前回のニセ科学についてのすばらしいレジュメと「血液型性格診断」の害を多数の方にお読みいたいたところですが、その2/8に気になるテレビ番組のコーナーがありました。日本テレビの深イイ話という番組で、AB型の秘密ということで、ある説が紹介されていたというのです。
http://www.ntv.co.jp/fukaii/episode/100208/05.html
Ntvfukaii




















AB型は、1000年前に出てきた、新人類である

藤田博士の説によると、最初、アフリカ大陸に誕生した人類は、O型しかいなかった。それが、各地に移動し、農耕民族の中にA型が生まれ、狩猟民族からB型が生まれた。そして、1000年ほど前、A型とB型の間に突然、新人類AB型が誕生したのだという。

さらに・・・藤田博士  「AB型は、免疫力が低いので、色々な人と会うと色々な病気にかかりやすい、ということで、家にいて学問をやったり、芸術を研究するということの積み重ねが、何代もきて、天才肌で、芸術肌の人が出てきた。」

いろいろ突っ込みどころが満載です。人類は最初O型しかいなかったとは考えられていません。そして農耕民族の中からA型、狩猟民からB型というのもよく分かりません。「サル」から「人類」へと変わった時点で、採取、狩猟、漁労などを行っていたと考えられておりますが、狩猟民族などと別れるのは先です。更に変なのは、AB型が1000年ほど前に突然現れた新人類だという記述。

高校の生物で、ABO血液型の決定は、A因子B因子を持つか持たないかで決まるという仕組みを習うはずであり、A型、B型、O型だけが居て、AB型の人が居ない社会というのは、婚姻・出産を制限し無い限り起き得ないと番組関係者のだれかは気づかなかったのでしょうか?ABO血液型が発見されていない1000年前にそんなことが起こりえるか?常識を持つ人のチェックが無かったのかと大いに疑問です。

高校生物レベルの定説を無視した「説」をテレビで紹介していいのか、どれほどの注釈があったか分かりませんが、Q&Aサイトやツイッターのコメントの流れで多くの視聴者がこの説を信じてしまったことがうかがわれ、慄然とします。

わが国の教育水準はそんなものだったのかと。

このコーナーの前に劇画ゴルゴ13の主人公の血液型はという話があったそうです。作者が血液型性格診断を信じてキャラクターづけをするという事象は今の日本で置きそうなことではありますが、こういう血液型性格診断を座興だからと放置した結果がこのような非科学的番組がまかりとおる原因なのかもしれません。

間違っていることには、間違っていると言い、ただしていく姿勢が今こそ必要でしょう。

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