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拡張現実(AR)と仮想現実(VR) - セカイカメラとSecond Lifeの違い

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iPhoneを通してみた現実世界にタグをつけられるというセカイカメラ。拡張現実(AR)ソフトの一種なのですが、早速試してみてちょっと面白く感じました。

場所はサッカー場のゴール裏スタンド。ゲートフラグという、思い思いのオリジナル応援メッセージを掲げてアピールする場に、セカイカメラのタグを追加すると、お手軽に私の応援メッセージが混じって空間に浮かびました。それがどう面白いのか、興味ない方を納得させるのが少し難しいし、まだまだ発展途上とは思います。しかし、これまでにない、

「リアルとバーチャルの新しい融合の仕方」
に驚きを覚えました。

さて、「拡張現実」の話を世間にしたときに切り返されそうなのが、仮想現実(VR)アプリの一つ、Second Lifeです。マスコミで騒がれ何度も新聞記事になったのですが、セカイカメラもSecond Lifeと似たようなものなのでしょうか?

その特長を対比してみましょう。

Second Life            -     セカイカメラ
一般の人にわかりやすい     -  何がどう面白いのか一般の人にややわかりにくい
始める障壁が極めて高い   - 障壁はiPhone 3GSを持っているか程度でそこそこ
儲ける方法が先にある      -  儲ける方法論はまだ無い(避けている?)
話題の割にユーザーが少ない  - サービス開始からかなりのユーザーを獲得

分かりやすさでいうと、Second Lifeは際立って分かりやすいサービスです。もう一つの自分をバーチャルに作ることが出来るという説明で十分です。しかも始める障壁がやたら高いのに、儲ける方法論は先にあるので、試して面白いとか腑に落ちてない人が多く、投資したように見受けられます。

逆にセカイカメラはTwitterに似て、何が面白いのか説明しづらいところがあります。そのスクリーンショットをモニターで見ても、同じパソコンの中の出来事に見えて、上下左右360度に囲まれた現実世界を切り取ったほんの小さな自分のiPhoneの画面に目の前の風景にタグが足された覗き窓となる感覚は、手に持っていろいろ遊ばないと分からないものでしょう。

そして、セカイカメラで、儲ける方法論は避けられています。アプリを有償で売るとか、広告をとるとかしたらそれなりに売り上げを立てられそうですが、Twitterが広告をまだ出していないようにスタートアップビジネスの価値を売り上げでは見て欲しくないと考えているようです。

これからセカイカメラがどう育つか、他のARソフトが伸びるかもしれませんし、あんまり受け入れられずに終わるかもしれません。いずれにしろ、Second Lifeのようにビジネス先行で、企業の参入が相次ぐというような道はたどらず、違うものとして育つと予想しています。

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