米国Honda、Facebookゲームとタイアップ。20日間で360万人を集客し、さらに急増中
米国Hondaは、8月6日にローンチしたFacebookソーシャルゲーム「Car Town」(開発元はCie Games)とタイアップ、スポーツカーCR-Zの2ヶ月限定プロモーションを開始している。(元記事: Mashable)
このプロモーションが発表されたのは、6月16日に開催された世界最大のゲームトレードショー「Electronic Entertainment Expo 2010 (E3 2010)」、ゲームやプロモーションの概要は下記ビデオニュースで閲覧できる。
このビデオ内でも説明されている通り、Car Townは主人公である搭乗者や車のアバターが用意され、カーレースやトラベルを楽しめるもの。当然、CR-Zだけではなく非常に多くの車が登場し、仮想通貨で車本体や多様な装飾アバターが購入できる。
こちらがトップ画面だが、右側にある黒い看板をクリックすると、Honda CR-Zのショールームが登場し、プロモーションが展開される仕掛けになっている。
CR-Zのスペックやカラー変更などができる他、ショールーム内のテレビをクリックするとCMビデオが流されるなど、ショールーム体験がシミュレートされている。
そして驚くべきは、このゲームの集客力だ。なんとローンチ当日に80万人を集め、すでに366万人に達している。その様子はApp Bankデータで閲覧できる。上からMAU(月次アクティブユーザー数)、DAU(日次アクティブユーザー数)、DAU/MAU をあらわしたもの。MAU、DAUとも順調に成長を続けていることがわかる。
Cie Gamesは他にFacebook上にメジャーアプリを持たない無名デベロッパーであり、366万人という集客はHondaのFacebook上のプランドパワーによるものだ。そしてそのベースとなっているのは、すでに558万人が参加しているHonda愛のソーシャルグラフ、who loves a honda だろう。
【参考記事】
・200万人を繋いだ!米国Hondaのソーシャルメディア・プロモーション (10/26)
・米国Hondaやサントリー角ハイボールに学ぶソーシャルメディア活用の秘訣 (2/4)
Facebookなどソーシャルプラットフォーム上では、プロモーション内容が変わってもファンと継続的に交流していることが重要だ。地道なファン交流の蓄積が大きな成果を呼んだ良い事例と言えるだろう。
Mashable記事内では、米国Hondaより「このプロモーションはCR-Z購入層である25-30才男性にターゲットしたもので、Facebookユーザーと相性が良いものだ」との内容のコメントが紹介されている。
なお、過去にもFacebookではFarmVilleが積極的にゲーム内プロモーションを行っている。例えばリアル店舗での商品購入と連動したプロモーション(特定商品を購入すると仮想通貨をプレゼント)や、24時間で40万人のLikeを集めたMicrosoft Bingの事例が有名だ。
・ ゲームデベロッパーに新たな収益源 ~ Zyngaが米国セブンイレブンとタイアップ (5/24)
しかし、ここまで完全にゲーム内容と連動した本格的プロモーションは世界的に見ても初の試みかも知れない。
今回のCR-Zプロモーション自体は2ヶ月と期間限定だが、Car
Town自体はゲームとして継続する他、ゲーム内のCR-Zもそのまま使えるとのことだ。ゲームメーカーにとってみればブランド集客力は大きな魅力であ
り、ブランドとゲームメーカー、双方にとって完全なWin-Winモデルとして注目されるだろう。
このチャート(記事元、eMarketer)予測によると、バーチャルグッズ市場(ワールドワイド)の規模は、2010年で2600億円、それが3年後には5100億円とほぼ倍増すると
見られている有望な市場だ。
しかもソーシャルゲームによるプロモーションは、宣伝効果以外に、(1)収益を稼げる (2)ファン情報およびそのソーシャルグラフを獲得できる という大きなおまけがついてくる。今回の成功事例により、これから大いに注目される広告手法となることは間違いないだろう。
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【ソーシャルメディア活用事例集】
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・ レディ・ガガに学ぶソーシャルメディア活用最前線 (2/5)
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