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On Vox: 米WiMAXサービス、過大評価も過小評価も禁物

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今日は、WCAI(Wireless Communication Association International)の年次総会に行ってきました。

同団体はWiMAXを支援・振興している業界団体です。ハードウェア系ではWiMAXフォーラムが有名ですが、WCAIはスプリント・ネクステルやクリアワイヤーなどの通信事業者も入っているところが違いでしょう。WiMAX系ロビー団体の性格をもっています。

ご存じの方も多いでしょうが、米国では9月にバルチモア市でWiMAXサービス「XOHM」がスタートしました。まあ、本格的にネットワークが広がるのは来年になります。そして昨日(2008年11月4日)、連邦通信委員会がスプリント・ネクステル社のWiMAX部門をWiMAXベンチャーのクリアワイヤー社に合併させるプロジェクトで、正式に承認を与えました。(←無線免許の移転を伴うので、政府の認可がいります)

これで米国の広域WiMAXはクリアワイヤー社に一本化されたわけです。今日の会議でも、冒頭にBenjamin Wolff氏(CEO、Clearwire、写真)が登場し、XOHMの展望について語りました。

WiMAXは第4世代モバイルサービスなどと、とかく大騒ぎされてきました。また、最近では携帯電話業界が進めるLTE(Long )との競争も取りざたされています。しかし、米国に限ってみれば、WiMAXはようやく本格的な無線ISPサービスを提供できる技術であること。そして、XOHM・クリアワイヤー・サービスは、本格的な広域無線ISPサービスだと言う事です。米国のWiMAX・XOHMサービスを無線ISP以上に過剰評価する必要もなければ、過小評価する事も禁物──そんな感想を強くしました。

日本ではKDDI陣営を中心にWiMAXのサービスが準備中です。さて、日本でも広域無線ISPサービスとして正当な評価をえられるのか。楽しみですね。

小池良次(www.ryojikoike.com)

Originally posted on ryojikoike.vox.com

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