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米国の通信業界を主体に、最新ITトレンドを追う

On Vox: NXTcomm 2008で、AT&TとVZCがオープン化でぶつかる

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今日からNXTcomm(ネクストコム)ショーがラスベガスで始まった。

電話業界を代表するショーだが、年々縮小している。今年も、参加者、出展者ともに減った。

 

とはいえ、米国通信業界の状況を知るには、重要な展示会だ。

IPTV、IMS、SDP(サービス・デリバリー・プラットフォーム)、メトロイーサ、PBTなど様々なキーワードが今年も飛び交っている。

 

興味深いのは、日本勢の復活だ。米国勢が展示を縮小あるいは、撤退する中、NECさん、富士通さん、日立さんが比較的大きな展示をおこなっている。特に富士通さんは、入り口にドーンと構えてアルカテル・ルーセントと張り合っている。

一時、米国市場で存在感が薄れていた日本勢だが、昨年あたりからやや復活の兆し。特に富士通さんはPBTで健闘している。

 

あと、初日の会議で目立ったのは、米国の通信規格団体ATISのパネルだ。

AT&T、Verizon Communications、Qwestの技術トップが顔をそろえて、様々なトピックについてコメントを繰り広げたが、気になったのはオープン・ネットワークについての見解。

VerizonのMark Wegleitner氏(SVP、Technology and Networks Planning、写真右から2番目)が、「オープン・ネットワークはIMS(IP Mulitimedia Subsystem→米国のNGN)に欠かせない。オープンな世界に対するゲートウェーがIMSとなる」と積極的な指針を示した。

それに対し、AT&TのChris Rice氏(EVP、Shared Services、写真左から2番目)は「ニューアプリケーションの開発は、オープン・ネットワークでなくてもできる。IMSは目的ではなく、手段だということを忘れてはいけない」と述べ、AT&Tがオープン・ネットワークを静観している姿勢を強調したこと。

初日から電話業界のトップ2が、刃を交えるのは珍しい。

さて、今年の会議はどんな話が飛び出すやら。

 

小池良次(www.ryojikoike.com)

Originally posted on ryojikoike.vox.com

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