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米国の通信業界を主体に、最新ITトレンドを追う

VoIPは台風に強い?

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 ハリケーン「カトリーナ」の直撃で、米国の通信業界は蜂巣をつついたようになっている。壊滅的な打撃を受けた同地の電話会社“ベル・サウス”は、修復には最低1ヶ月、費用は4億ドルから6億ドル(400から660億円)かかると見ている。しかし、被害はもっと大きいと予測する専門家もいる。同社は、毎年、このシーズンになるとハリケーンのおかげで決算が悪くなるが、今年は桁外れになりそうだ。

 一方、携帯のティー・モバイルとベライゾン・ワイヤレスもサービス回復にがんばっている。ケーブル・テレビ会社のコックス・コミュニケーションズは、テレビだけでなくインターネットや電話も提供しているため、災害復旧は急務だ。しかし、肝心のニューオリンズ地区は冠水が続いており、手の施しようがない。

 そんな中、思わぬ恩恵を受けたのが、インターネット電話のボネージ社だった。ニューオリンズ市の緊急対策部隊は、市庁舎の近くにあるハイヤット・ホテルに陣取ったが、準備していた緊急通信手段は、次々とダメになり、最後に生き残ったのがなんと、ボネージのインターネット電話だったからだ。

 WSJの記事によれば、まる二日間ほど、市の緊急対策本部はボネージ頼みで、大統領が専用機“エアーフォース1”から掛けた電話も、なんとボネージ電話に掛かってきた。災害に強いと言われた携帯電話も衛星電話もダメで、ひ弱と言われるインターネット電話が生き残ったのは皮肉だが、これで「インターネット電話は災害に強い」と勘違いしてもらっては困る。

 災害に強かったのは、電話ではなく、たぶんホテルが引いていた専用線と推定されるからだ。たまたま、専用線が生きていていたからこそボネージの電話が使えたわけだ。最近は値段が高く、嫌われ者の専用線だが、ヒョンなところで商品価値を上げたと言える。

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